VVVF名鑑

遠州鉄道

2000形

最終更新日:xx2020.4.19

 2000形は1999年に登場しました。1983年登場の1000形の車体構造をほぼそのまま継承しつつ、床下には遠鉄初のVVVFインバータが採用されました。登場から20年以上経過していますが細々と増備が続いており、2021年には1000形置換え用の車両が登場しています。
 2008年登場の2004編成からはVVVFインバータの形式が変更されています。また、2019年より前期タイプの車両については機器更新が始まり、VVVFの形式が変更されていますが、装置外観やVVVF音に変化が見受けられないため、内部の部品を部分的に刷新した可能性が高いです。

前期タイプ

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF MAP-122-75V79/79A/328[1](1C2M2群)
三菱2レベルIGBT(DC750V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

[1]http://railstars3.blog.fc2.com/blog-entry-484.html?spより

 2001編成~2003編成のVVVF音です。1999年登場の三菱2レベルIGBTということで、加速時は同時期の都営6300形や横浜市交3000N形同様、非同期変調のキャリア周波数(以下Fc)が途中で上昇する"竜巻インバータ"の音となっています。ところが、減速時はFcが下降せず、1100Hz一定のままで終わります。もっとも、インバータ周波数(以下Finv)約8Hzで回生制動が切れるため、元々の設定としてFinv=0Hzまでこれが1100Hz一定かは不明です。というのも、減速時に(加速時よりも低い)Finv=約6HzからFcが下降する横浜市交の例が他にあるので…。
 装置形式について、機器更新前は2001編成・2002編成がMAP-122-75V79、2003編成がMAP-122-75V79A、前述した機器更新車がMAP-122-75V328のようですが、いずれも装置形状やVVVF音から差を感じることはありません。

後期タイプ

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-124-75V187(1C2M2群)
三菱2レベルIGBT(DC750V・4極IM用)
登場時期 2008年
パターン 非同期-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2008年登場の2004編成以降はこちらのタイプとなりました。装置形状は大幅に変更されたものの、加速時はFcが2オクターブ上昇し(ただし275Hz→1100Hzから250Hz→1000Hzに変更)減速時は一定のまま終わるPWMのパターンは踏襲されました。
 加速時はFcが1000Hzとなることで都営6300形・小田急3000形・神鉄6000系とますます似た雰囲気になった一方、音の上昇の仕方はやや緩やかになり、少し迫力が物足りなくなった印象はありますね。一方の減速時はFinv=1Hz付近まで回生ブレーキが効くようになり、こちらは701系更新車や名古屋市交N1000形に近くなりました。細かい点では、高速域での立ち上げ/立ち下げ時の変調率の変化の仕方も変わったようです。
 なお、掲載ファイルでは減速時の3パルスの変調率が連続的でない部分がありますがこれは例外的な挙動と思われ、通常はちゃんと単調減少するようです。