VVVF名鑑

京王電鉄

傾向と対策

 京王の車両は全車VVVF化が実施され、さらにすべてステンレス車体であるため京王線・井の頭線ともに待たずとも多くの音を収録しやすいです。ただし、車両によってリスニングスポットの位置が(同一形式内であっても)異なる場合もあるので毎度探ってみる必要があります。特に、8000系や1000系の一部は点検蓋があっても他の場所の方がバランスの良い音が録れたりするため、お気に入りの場所を探すためには広範囲を探ることになるでしょう。
 2022年12月現在、1000系は4次車までの機器更新が完了した一方、8000系は依然としてGTO車が残存しています。

8000系

最終更新日:2022.12.31

 京王8000系は1992年に登場し、現在は10連14本、8連13本が在籍しています。新造時は全編成とも日立製のGTO-VVVFを搭載し、1C8M制御の装置であったため10連(当時は6+4連)は6M4T(デハユニット3組)、8連は4M4T(デハユニット2組)の構成となっています。
 2013年に8730Fの主回路の換装が行われ、8030-8080ユニットには日立製の装置(インバータ:Si-IGBT、モーター:全閉内扇形4極IM)が、8130-8180ユニットには東芝製の装置(インバータ:Si-IGBT、モーター:6極PMSM)が搭載されました。2年ほど試験が行われた後、新たに機器更新が施された8729Fとデハユニットの交換が行われ、結果8729Fは東芝製、8730Fは日立製のものに統一されました。その際東芝側も日立側もPWM制御に変更が加えられ、さらに後者については筐体はそのままに、中身の素子をSi-IGBT+Si-DiodeからハイブリッドSiCモジュールに換装しています[1]。その後、8729Fの足回りは8連の更新車、8730Fのものは10連の更新車に適用されています。これは試験の結果、PMSM車は各停運用、IM車は優等運用においてそれぞれ効率が優位となることが判明したためです。
 コイルで録音する場合、点検蓋ではなくその周囲の床(通路の中心寄り)を狙うとより鮮明な音が拾えます。ただしPMSM車の場合、車体中央寄りのモーター直上で録音すると、1C1M制御故に隣接群のVVVF~モータ間配線との干渉が生じてしまうため、車端寄りのモーター直上で録音する必要があります。

[1]岡原裕喜, 榎田年晃, and 村岡一史. "京王電鉄株式会社 8000 系更新電車用主回路システム: SiC ハイブリッドモジュール応用 2 レベルスナバレス VVVF インバータ制御装置." 鉄道サイバネ・シンポジウム論文集 52 (2015): 4p.

未更新車(日立GTO)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFG-HR1820C(1C8M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1992年
パターン H2G-4 加速時:非同期-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
減速時:1P-広域3P-3P-7P-11P-15P-21P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋
範囲: ★★★
音質: ★★★

 新造時から搭載している日立GTO-VVVFの音です。切替パターンはこの時期の標準的なもので、「日立GTO後期型」と呼ばれるものの代名詞的な存在ですね。もっとも、減速時の21パルスに切り替わるタイミングが他形式のものよりもやや遅く低い音となるため、個人的にはこの部分のみ独特に感じております。

機器更新車(日立2レベルIGBT(ハイブリッドSiC))

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820M(1C4M2群)
日立2レベルIGBT(ハイブリッドSiC)(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2013年(ハード全体)・2015年(現行の素子およびPWM)
パターン H2I-3 非同期-9P-広域3P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋
範囲: ★★★
音質: ★★★

 日立ハイブリッドSiC車の音です。試験搭載車である8連の8730Fと、すべての10連の機器更新車にはこちらの装置が適用されています。キャリア周波数1050Hzに拡散幅の狭いランダム変調を適用した非同期変調の後、急上昇を介さず同期変調に移行するため、普通に聴いていると321系の日立車と似た雰囲気に感じます。しかし、用いられているPWMは大幅に異なり、特にCVVF領域に広域3パルスが適用されているのがわかりやすい変化点となっています。これはSiCの採用により高周波でのスイッチングが可能となり、この特性を活用しより高効率な制御を行うためのものです。同一パルスモード内でスムーズにVVVF領域からCVVF領域に移行する様子は3レベルインバータの1パルスを彷彿させますね。減速時、CVVF領域とされる速度でも架線電圧変動等に応じて変調率に揺らぎが生じる点も、一部の3レベルインバータ車と共通した挙動となっています。
 Si-IGBT時代は、約1オクターブ低い非同期キャリア(525Hz?)から比較的早いタイミングで同期変調に切り替わっていました。ただ、全電気ブレーキ制御として停止間際に一気にキャリアを落とす方法はSiCになった後も踏襲されています。

機器更新車(東芝2レベルIGBT(PMSM用))

音声ファイル

解析画面

加速
惰行制御
減速
VVVF SVF102-A0(1C1M×4×2群)
東芝2レベルIGBT(DC1500V・6極PMSM用)
登場時期 2013年(ソフト:2015年)
パターン 非同期-9P-非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋
範囲: ★★★
音質: ★★★

 PMSM制御用東芝IGBTの音です。8730Fを除いた8連の機器更新車にはこちらの装置が適用されています。過去にPWMの変更が2度ほど行われており、登場間もない頃は阪急1000系のソフト更新前のような音でした。その後すぐにランダム変調のない音に変わり、2年後の新8729F組成時に再びソフト更新が行われました。その結果、今度は阪急1000系のソフト更新後と同様のランダム変調が適用されました(なお、いずれのPWMもキャリア周波数の中心は750Hzと思われます)。この時期以降のPMSM用東芝製VVVFではこの非同期変調の方式が標準化されているようですが、阪急車や京急1367編成のものとは異なる点もございます。京王8000系については、一度非同期から9パルスに移行した後、一瞬のみ再び非同期に戻るのが通常時の挙動のようです。また、京王は各停運用でも惰行制御が行われる速度まで到達することが多いですが、このファイルの区間では京急のファイルのものと違った動きを見せています。

1000系

最終更新日:2022.12.31

 1000系は1995年に3000系の置換え用として登場しました。1・2次車は2M3Tで登場し、奇数編成には東洋2レベルGTO-VVVFが、偶数編成には日立3レベルIGBT-VVVFが採用されました。その後、2003年からの増備車(3・4次車)では3M2T構成に変わり、加速度の向上が図られました。なお、このときの増備車には東洋2レベルIGBT-VVVFが採用されています。
 2008年からの増備車(5・6次車)ではマイナーチェンジが行われ、ビードのないフラットなステンレス車体に変わりました(1020番台)。3000系を完全に淘汰するため投入されたこの14本には、すべて日立2レベルIGBT-VVVFが採用されています。
 2016年から1・2次車においてリニューアルが行われ、主回路はすべて東洋2レベルIGBT-VVVF+全閉内扇形主電動機(6極IM)に換装されました。併せて3号車の電装化も行われ、MT比が2M3Tから3M2Tに変更されました。この全閉内扇形主電動機は2011~14年頃まで1764Fのデハ1114で試験されていたものの量産品に相当します。2019年にはこれらの編成の更新が終わり、3・4次車も同様の主回路への更新が始まりましたが、1・2次車とは異なるPWMのパターンが用いられています。
 1751F~1760Fは8000系同様点検蓋がありますが、やはり周囲の床の方が綺麗に録れます(ただし更新によって元T車で点検蓋のないデハ1050形でも録音できるようになりました)。また、1020番台は音の録れる範囲が少々狭くなっております。

東洋GTO(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速

音声ファイル

解析画面

加速(空転)
減速
VVVF ATR-H4180-RG655A-M(1C2M2群)
東洋2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1995年
パターン Y2G-3D 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1751F~1760Fのうち奇数編成には東洋GTOが採用されていました。音としては典型的なY2G-3Dのタイプで非同期キャリアの上昇量がやや抑えられています。残念ながら、この音は2018年9月の1759Fの更新により消滅してしまいました。同様に東洋GTOの中でもレアな1C2M2群仕様となっているE127系・ET127系も、走行音の雰囲気は似ていましたが、こちらも2021年に機器更新により消滅しています。

日立3レベルIGBT(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2420A(1C2M2群)
日立3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1995年
パターン H3I-2 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1751F~1760Fのうち偶数編成には日立3レベルIGBT-VVVFが採用されていました。こちらも残念ながら2019年3月の1760Fの更新により消滅済です。音は同時期登場の日立3レベルIGBTにありがちな、非同期変調の途中でキャリア周波数が上昇した後一定になるタイプとなっています。よく東武30000系と比較されますが、向こうは音程が上に凸の放物線を描きながら上昇するのに対し(縦軸を周波数にした場合は線形となる)、こちらは音程が下に凸の放物線を描きながら上昇します。さらに、東武30000系はダイポーラ変調時キャリア周波数の2倍が最も大きい成分になるのに対し、こちらは4倍の成分が最も大きくなります。ただし、東武30000系は全電気ブレーキ化に伴うソフト更新でこれらの変化が生じた(元はほぼ同じだった)可能性が高いため、京王1000系の方がより古いPWMのパターンを残していたと言えるでしょう。

東洋2レベルIGBT(4極IM用、消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8180-RG682A-M(1C4M2群)・ATR-H4180-RG683A-M(1C4M)
東洋2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2003年
パターン Y2I-1A 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1761F~1765Fは東洋2レベルIGBT-VVVFを搭載していました。京成3000形(前期タイプ)と同じく2000年代前半の登場であるため、Y2I-1Aのパターンとなっていますが、その京成3000形同様後に電気停止ブレーキ対応化が行われ、減速時停止間際に音量が大きくなります。井の頭線の場合4極車だと減速時の1Pは比較的容易に捕捉可能でした。こちらのタイプも2022年現在全編成への機器更新が完了しています。 2011~14年にデハ1114において全閉内扇形主電動機(6極)の試験が行われましたが、次に紹介する1・2次車の更新車と違い、VVVFは従来のものがそのまま使用されていました。このため、同車の非同期~同期切替時のインバータ周波数は、加速時32.9Hz、減速時30.2Hzのままとなっていました[1]。

[1]長嶌義彰氏の動画の解析結果より

更新車(東洋2レベルIGBT(6極IM用)その1)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG6031-A-M(1C4M2群)・RG6032-A-M(1C4M)
東洋2レベルIGBT(DC1500V・6極IM用)
登場時期 2016年
パターン 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準もしくは点検蓋(デハ1050形は点検蓋なし)
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2016年より1・2次車の大規模リニューアルが始まりました。主回路について、インバータは新規設計の東洋IGBT-VVVF、モーターはデハ1114にて試験していた全閉内扇形主電動機(6極)がそれぞれ採用されています。PWM制御もデハ1114のものと異なるものが用いられ、非同期~同期切替時のインバータ周波数は加速時40Hz、減速時39.5Hzに変わりました(それでもインバータ周波数の上昇速度が1.5倍速になる6極機であるが故にかなり早いタイミングに感じられます)。また非同期キャリアも約1055Hzから1050Hzへとわずかに引き下げられたのですが、車外から加速時の音を聴いてみると、逆にわずかに高くなったように感ることもあります…。このファイルでは加速時に一発で1パルスに切り替えられなかったみたいですね(東洋2レベルIGBTではよくある現象)。また減速時について、6極モーター車は特に1パルス→9パルスへの切替速度が高いようですが、区間によっては1Pもしっかり録音できるようです。

更新車(東洋2レベルIGBT(6極IM用)その2)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG6031-B-M(1C4M2群)・RG6032-B-M(1C4M)
東洋2レベルIGBT(DC1500V・6極IM用)
登場時期 2019年
パターン Y2I-1C 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2019年には1・2次車のリニューアルが完了し、3次車のリニューアルが始まりました。引き続き6極IMが用いられているようですが、VVVFのソフトは1・2次車のものから変更されています。まず、非同期と同期の切替タイミングについて、加速時・減速時ともインバータ周波数が約36.5Hzのときへと変更されました。1・2次車ではイレギュラーな値になっていたものが近年の東洋の標準仕様へと回帰した印象ですね(ただし、同じく加速時と減速時で当該タイミングのインバータ周波数にずれがほぼないのはJR四国7200系くらいです)。また、非同期キャリアが1050Hzから875Hzへと引き下げられました。京成3003-7・8と近い音程に感じられますが、こちらは865Hzでしたね。低いキャリア周波数に変えざるを得なかった事情がありそうですが、装置銘板を撮影したところ、どうやら1・2次車のもののサフィックス違いのようで、京成車のようにハイブリッドSiCが用いられている可能性は低いでしょう。このことから、種車の車体構造(床下機器構成等)の違いによって1050Hzでは誘導障害が発生した可能性があります。少なくとも、床下におけるVVVF装置の搭載位置が変更されているのは見て取れます。

1020番台(日立2レベルIGBT)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820K(1C4M2群)/1420T(1C4M1群)(日立2レベルIGBT)
登場時期 2008年
パターン H2I-3 非同期-9P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

2008年からのマイナーチェンジ車(1020番台)には日立2レベルIGBT-VVVFが用いられています。音のパターンはこの時期の日立の典型例と言ってもよく、非同期→9P→広域3P→1Pというテンプレが用いられています。非同期変調のキャリア周波数は595Hzとやや低い部類ですが、これは9000系に合わせたのでしょうか?

9000系

最終更新日:2022.12.31

 2000年に6000系置換え用に登場しました。当初は8連のみでしたが、2006年都営新宿線直通用の10連(9030番台)が登場しました。これら9030番台は当初から全電気ブレーキ対応となっていましたが、後に8連の0番台も同様に改造されています。結果、現在はどちらも同じ音となっています。

0番台

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820A(1C4M2群)
日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2000年
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2000年に登場した0番台のVVVF音です。ランダム変調のない非同期変調や、同期移行前の急上昇など、当時の日立ならではの特徴が伺えます。急上昇までの間にキャリア周波数が緩やかに上昇するのは、815系の登場時に次いで2例目と思われます。
 京王9000系(30番台含む)等、H2I-2タイプの日立2レベルIGBTの一部は、少々変わった挙動をするものがあります。他のH2I-2タイプは加速時は毎度決まったキャリア周波数(1800Hzや1500Hzが多い、以降「最高到達点」と呼ぶ)まで到達した後広域3パルスに切り替わり(つまり、非同期キャリアが最高到達点に達するタイミングと非同期→同期移行タイミングが一致)、減速時は同期→非同期に移行するタイミングがずれ込むため非同期音が下降するスタートポイントが最高到達点とならないことが多いです。ところが、京王9000系等の一部車種は、加速時も非同期キャリアが最高到達点(1800Hz)に達するタイミングと非同期→同期移行タイミングが異なっています。このファイルの場合は広域3パルス移行タイミングが1800Hz到達タイミングより後ろにずれたため、しばらくその1800Hzを保つ区間があります。

30番台

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820G(1C4M2群)/1420N(1C4M1群)
日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2006年
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2006年に登場した30番台のVVVF音です。当初から全電気ブレーキに対応していた点以外は、0番台のPWM仕様を踏襲しています。
 30番台も0番台同様、加速時に非同期キャリアが最高到達点に達するタイミングと広域3パルスに切り替わるタイミングにずれがあります。こちらのファイルは0番台のファイルとは逆に、同期変調への移行タイミングが1800Hz到達タイミングより前にずれたため、約1710Hzで広域3パルスに切り替わっています。なお、0番台も30番台も条件によって両方の挙動を示します。

7000系(VVVF車)

最終更新日:2022.12.31

 7000系は1984年に登場しました。8000系登場後の1996年まで製造が続き、最終的には2・4・6・8・10連が出揃ったため、フレキシブルな組成が可能な汎用車として運用されてきました。足回りには元々界磁チョッパが採用されていましたが、2004年のリニューアル車からVVVFインバータに改造されています。その後、界磁チョッパのままリニューアルされた編成含め全てVVVFに統一されました。VVVFは1C4M2群のもの、1C4M1群のもの、1C2M2群のもの(一部の2連車に単独運転時の冗長性確保用に搭載)があり、さらに制御単位が1C4Mのものはコルゲート車とビード車で型番が違うため計5種類の装置がございます[1]が、音はどれも同じです。

[1]http://okalab.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/7000-5eca.htmlより

後期車・1C4M2群

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2815C・E(1C4M2群)/1415B・D(1C4M1群)/2415G(1C2M2群)
日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2004年
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 7000系のVVVF音です。9000系のパターンと似ていますが、起動時のキャリア周波数は525Hzへと変更されています。さらに、急上昇時に到達するキャリア周波数も1500Hzに抑えられており、9000系のような加速時の同期変調への切替タイミングとのずれもないようです。なお、歯車比の変更はなく5.31と比較的低いままとなっているため、インバータ周波数の上がり方もやや緩やかです。

5000系

最終更新日:2022.12.31

 5000系は2017年に「京王ライナー」用に投入された新形式です。足回りは以前から更新が行われている8000系10連車に準拠しており、日立2レベルIGBT-VVVF(ハイブリッドSiCモジュール)搭載、主電動機出力150kW、6M4Tに回帰したMT比という点が共通しています。ただし、用いられているPWMはさらに新しい内容が盛り込まれています。京王線内の他、都営線内でも運転されているため、都心でも狙うことのできる形式となっています。ただしライナー優先の運用のためか、一般運用では意外と遭遇しづらいです。

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820W(1C4M2群)
日立2レベルIGBT(ハイブリッドSiC)(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2017年
パターン H2I-4 非同期-9P-5P(新)-広域3P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 足回りには8000系更新車同様日立ハイブリッドSiCが用いられています。キャリア周波数について、基本的には1050Hzである点や、停止間際に一気に降下する点は8000系の仕様を踏襲しています。ただし、ランダム変調の拡散幅が大きくなったり、減速時は若干高い周波数(最大1100Hz~1050Hzの範囲で毎回変動する)から1050Hzへと音が下がったりといった変化点があります。また、同期変調についても9パルスやCVVF領域含めての広域3パルスが採用されている点は同じですが、5000系では新たに5パルスモードが間に挟まっています。この5パルスですがGTO時代のものとは生成方法が全く異なり、新技術が取り入れられたものとなっています。一方で同時期に日立VVVFを採用した他車種は9パルスも新しいものに置き換わっていますが、この京王5000系のみなぜか従来の9パルスのままとなっています。