VVVF名鑑

東急電鉄・横浜高速鉄道

傾向と対策

 東急の車両はすべてステンレス車であるため、コイルでの録音は全VVVF車種で可能です。ただし、リスニングスポットがややわかりにくい車種(3000系)や、他機器のノイズが入りやすい車種(x020系)もあります。また、東芝IGBT車は東急専用仕様として、特殊な非同期キャリアの拡散(ビブラート状)を行なっている影響で、リスニングスポットによっては高周波数(数千~数万Hz)の音が悪目立ちすることがあります。
 回生ブレーキのパイオニアでもある東急は、純電気ブレーキが実用化されるまではその失効速度の低さに定評がありました。特に日立GTO搭載車は、2018年時点の全車種において非同期変調まで回生範囲が及ぶことがあり、他事業者の車両ではみられない東急特有の挙動となっていました。

9000系

最終更新日:2023.2.19

 9000系は1986年に東急で初めてVVVFインバータを搭載した量産車両として登場しました。M車はユニットを組まずに独立しており、GTO黎明期の車両らしく制御単位は1C4Mとなっています。東横線に8連14本、大井町線に5連1本が配置されましたが、東横線用編成については全編成とも副都心線との直通開始前に中間車3両が減車され、大井町線に転属・集約される形となりました。なお9001FのみM車は3両ともVF-HR107形を搭載しています(2018年に確認、それ以外の編成はVF-HR112形)。
 同時期に登場した初期のVVVF車は次々とソフト更新や機器更新により元々の音が聞けなくなりつつある中、中間車廃車時の予備部品のおかげか、関東圏では珍しく1980年代当時の音のまま現在も運用を続けられています。ただし置き換えが予告されており、8500系全廃後の2023年度以降に代替新車が導入予定です。

9001F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR107(1C4M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1986年
パターン H2G-2 非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 VF-HR107を搭載している9001FのVVVF音です。「日立初期型GTO」と区分されることが多いですが、この世代の特徴である、キャリア周波数200Hzの非同期変調や広域3パルスモードは当車種で初めて取り入れられたのではないでしょうか。同期モードの音の高さはこの後登場する207系900番台・Osaka Metro 新20系・JR四国7000系等よりは低いものの、南海2000系相鉄新7000系ほど極端に低くはなく、全体としてはOsaka Metro 66系に近いです。ただし、減速時は9パルスモードがこれらのいずれの形式よりも気持ち短めに感じられます。また、回生ブレーキの失効速度が当時の車両では群を抜いて低いため、減速時も高確率で非同期変調まで聞くことができます。

9002F~15F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR112(1C4M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1986年
パターン H2G-2 非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 VF-HR112を搭載している9002F以降のVVVF音です。VF-HR107と比べると筐体についてはマイナーチェンジが行われたものの、音についてはこれといった違いはありませんね。

7700系

最終更新日:2022.12.31

 旧7000系のVVVF化改造車として1987年に登場しました。東洋製のGTO-VVVFが採用され、大井町線での暫定6連運用を経て、4連14本に組み直され目蒲線に転出しました。さらにそのうちの3本は3連化され池上線に転出し、余った3両は先頭車化改造を経て7915Fとして組成されました。7915Fは東急初のIGBT-VVVFとして東洋製3レベルインバータが搭載されましたが、その結果は東急の他車種に反映されることなく、以降東洋製VVVFインバータが採用されることはなくなってしまいました。
 7700系は東急線からは2018年に撤退しましたが、今は養老鉄道で同じ音を聞くことができます。

GTO車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG617A(1C4M)
東洋2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1987年(当パターン:1990年頃)
パターン Y2G-2 非同期-15P-9P-5P-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 元々は7600系同様「東洋GTO初期型」タイプの音で登場したのですが、ソフト更新を受けこちらの音に変わりました。その特徴から「東洋GTO過渡期型」と呼ばれることが多い(詳しくはこちらを参照してください)ですが、この音に変わったのはブレーキの改修が行われた1990年頃と考えられるため、実は「後期型」よりも後に登場した可能性が高いです。1000系からハード面を中心に設計思想が刷新された装置となったため、こちらに近いPWMを取り入れたくても、1世代前の装置の本系列では何らかの制約がありできなかったと推測しています。

1000系

最終更新日:2023.2.19

 1000系は日比谷線直通用車両として1988年に登場しました。当初は1C8M・ユニット車のみ製造されましたが、「大は小を兼ねる」ということなのでしょうか、この装置は1C4M用としても使うことができ、後に登場した4+4連の1010F~1013Fでそのような使用方法が取り入れられました。さらに後に登場した池上線用車両(一部は暫定編成を組み目蒲線での運用に使用)の1014F~1024Fでは、先頭車のデハ1314~1324には1C8M対応装置(1C4M制御用として使用)を、中間車デハ1314~1324には新設計の1C4M専用装置を搭載しています。この1C4M専用装置はパワーユニットが小型化され、音も僅かに変更されました。
 2013年に日比谷線直通用編成が運用を離脱すると、順次譲渡用の中間車を捻出し3連化、1500番台に改造されました。これらは冗長性確保のため、7000系に準じた1C4M2群+SIVの東芝製デュアルモードIGBT-VVVFに換装されました。また、池多摩用編成であった1023F・1024Fについても1500番台に改造されましたが、こちらは種車から変更なく制御電動車が蒲田寄りのまま維持されています。

1C8M(1C4M兼用)車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG621A(1C8M/1C4M兼用)
東洋2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1988年(当パターン:1989年?)
パターン Y2G-3B 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 最初に登場した1C8M対応VVVFの音で、この装置は現在1012F・1013Fの全電動車とデハ1317・デハ1319~1322が搭載しています(いずれも1C4M制御用として使用)。東洋後期型の中でも最初の方に登場したため、非同期領域中に拡散の途切れる部分がありません。一方で同様に東洋後期型の中で登場した順番の早かった京阪車京成グループのソフト未更新車で見られるような、長い3パルスと短い広域3パルスを持つといった特徴はなく、これらの長さはほぼ等しいです(もしかしたら1000系はここだけ後にソフト更新されたかもしれません)。
 1001Fは運用開始後数ヶ月は7600系のような音だったという情報もありますが、当時の音声がないため今となっては確かめようがないですね…。

1C4M(専用)車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG636A(1C4M)
東洋2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1991年
パターン Y2G-3C 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1C4M専用装置搭載車両の音で、この装置は現在デハ1217・1219~1223が搭載しています。なお、譲渡車に関しては伊賀鉄道モ201のみがこのタイプに当てはまり、それ以外はすべて1C8M対応装置を搭載しています。普通に聞いていると上の1C8M対応VVVF車と区別することは難しいですが、こちらには非同期変調の途中に拡散が途切れる部分があり、コイルで録音すると明瞭に差が表れます。東急車は駆動装置や主電動機の特性のせいか柔らかい音色になりますが、コイルで録れる音は京急京成阪急あたりのものとほぼ変わらないですね。

1500番台

音声ファイル(その1)

解析画面

加速
減速

音声ファイル(その2)

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-B0(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2014年
パターン 加速時:非同期-15P-広域3P-1P
減速時:1P-15P-非同期
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 1500番台に搭載されている東芝製2レベルIGBTです。型番から7000系に搭載されている装置の派生形式であると思われ、PWMのパターンも7000系に準じていますが一部相違点があります。主電動機の特性に合わせたためか、VVVF領域の長さが短く、普通に聞くとまるで東洋2レベルIGBTのようなタイミングで非同期領域が終わります。また、減速時はいきなり1パルスから15パルスに切り替わります。以前は間に広域3パルスが挟まっていると考えていたのですが、この15パルスは前のモードから切り替わった際に「特殊な処理」をしており、スペクトルが綺麗に現れていないのはその「処理」を実施している部分でした。この「処理」は加速時にも顕著に捉えることができ、1番目のファイルでは非同期終端部と15パルス先頭部のキャリア落差を滑らかに繋いでいます。逆に、2番目のファイルは非同期終端部とは逆方向(より低いキャリア)から15パルス先頭部に繋いでいます(東急の他の東芝2レベルIGBT車でも同様の挙動が見られますが、他車種はすべて1番目のパターンを掲載しています)。また、2番目のファイルでは15パルスからキャリアのずれが一切なく非同期変調に切り替わっています。そこそこの頻度で見受けられる挙動ですが、たまたまなのか、ある条件を満たすとスムーズに切り替わるのか、気になりますね。

8500系(VVVF車・消滅)

最終更新日:2022.12.31

 8500系は1975年に、8000系をベースに新玉川線直通用に登場しました。足回りは8000系同様界磁チョッパ制御を採用しましたが、うち2両が1989年にVVVFインバータに改造され、さらに1991年に2両が最初からVVVFインバータを搭載して新製され、後に8642Fに揃って組み込まれました。ともに日立製の1C8M用の装置でしたが、前者と後者ではPWMのパターンが異なります。8000系列をVVVFに更新する計画もあったようですが実現には至らず、これらの装置の仕様を引き継いだものは翌年登場した2000系のみに留まりました。2018年に2000系が田園都市線から撤退した後も、8642Fは運用を続けておりましたが、2019年7月に離脱し、これらの音を聴くことはできなくなってしまいました。

デハ8799-0802ユニット(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR121Z(1C8M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1989年
パターン H2G-3A 非同期(減速時もまれに)-21P-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 1989年に界磁チョッパから改造されたデハ8799-デハ0802ユニットが該当しました。PWMのパターンは多くの部分が後に登場する「日立GTO後期型」と共通ですが、非同期キャリアが1オクターブ低い200Hzである点、加速時と減速時の両方に21パルスが現れる点等の違いがあり、だいぶ印象が異なります。同様のパターンは相鉄8000系にも取り入れられ「日立GTO過渡期形」と呼ばれることもありますが、この8799ユニットの方がVVVF領域が長く、低い歯車比(5.31)も相まって減速時は比較的高い速度から広域3パルスに切り替わります。
 掲載したファイルのように、回生時の終盤に強めの制動力が働いた場合は、21パルスの後に非同期変調が入り込むことがありました。また界磁チョッパ車からの改造であるため、コイルで録音する場合は点検蓋の縁~蓋の内側数cmの範囲が収録箇所となり、他機器のノイズもそこそこ入りました。

デハ0718-0818ユニット(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR132(1C8M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1991年
パターン H2G-4 非同期(減速時もまれに)-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1991年に当初よりVVVFインバータ制御車として登場したデハ0718-デハ0818が該当しました。加速時のパターンそのものは2000系と同一で、典型的な「日立GTO後期型」のものとなっています。しかしこちらは各パルスモードの長さのバランスが良く、歯車比もより低い6.07でありゆっくり切り替わるため、どちらかというと京王8000系に近い雰囲気です。一方で減速時の挙動は他では見られないパターンで、21パルスに切り替わらず15パルスのまま低い音まで下がるという、個性的な特徴を持っています。このユニットに関しても、ブレーキの強さによっては回生時に15パルスの後に非同期変調まで入り込み、その頻度は8799-0802ユニットより高くなっていました(とはいえ9000系ほど恒常的ではなかったです)。こちらについても当該のケースを掲載いたしました。

9020系(旧2000系)

最終更新日:2022.12.31

 東急2000系は1992年に田園都市線・新玉川線の増発用に登場しました(2003Fのみは暫定的に東横線で運用されました)。最終的に10連3本のみの増備に留まりましたが、そのレア度や特徴的な音から田園都市線の人気車種として約26年間活躍を続けていました。しかし、2017年に2003Fが運用を離脱し、サハを除いて更新が行われました。一度10連で試運転が行われたものの、その後田園都市線に復帰することはなく、編成短縮を実施のうえ大井町線へ転出しました。2018年には残りの編成も運用を離脱し、さらに2020系との重複を避けるためか9020系への改番が行われ、大井町線向けに改造されました。なお一度暫定編成で運用されていた2003Fも、旧2002Fから正規の1M車を組み込み9023Fとして復帰しています。

未更新車(GTO・消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR132(1C8M)
日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1992年
パターン H2G-4 加速時:非同期-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
減速時:1P-広域3P-3P-7P-11P-15P-21P(-非同期、まれに)
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 もう聴くことのできない、未更新車のVVVF音です。「日立GTO後期型」の典型的なパターンですが、7パルスモードが極端に短く、歯車比も7.07と高いため、疾走感の溢れる音となっています。反面、このファイルのように減速時に非同期変調が入り込む確率は、8500系VVVF車2種と比べても非常に低かったです。路線特性に加え、運転士に左右される部分でもあったため、収録できたときの喜びは大きかったです。
 8799ユニットと2000系はインバータ周波数の「揺らぎ」が大きいのも特徴的でした。他の日立GTOではあまり見られない気がします…。

更新車(ソフト更新後その1、消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-188-15V314(1C4M2群)/MAP-184-15V324(1C4M1群)
三菱2レベルMOSFET(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2018年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2017年度に2003Fの機器更新が行われ、三菱製フルSiCモジュール適用VVVFが新たに搭載されました。2018年3月に田園都市線~半蔵門線にて行われた試運転の際は2020系に準じた非同期キャリアとなっていましたが、その後長津田検車区~長津田工場へ回送される際にはソフトの更新が行われており、起動時にキャリア周波数が一気に上がる、所謂"竜巻"タイプの音に変わりました。周波数が上がりきった後は、(更新前同様に)ランダム変調の幅が大きめの1200Hzとなり、都営5500形とも共通した特徴となっていました。ただし起動時に関してはこちらの方がキャリア周波数が低く(350Hz)、ランダム変調の幅も小さいのですが、この幅はキャリア周波数の上昇に応じて広くなるように設定されています。三菱フルSiC車の非同期キャリアは1250Hzに設定されていることが多く、例外的にE235系準拠車(INTEROS搭載車)が1200Hzとなっている印象ですが、おそらくすでに実績のある2020系に合わせて1200Hzにしたのでしょうね。一方で起動時に「ピコッ!」と鳴る点はE235系準拠車にはない特徴となっています。同期変調に関しては、CVVF領域における変調率がさらに高くなっており、27パルスに4段階目が存在しています(他に神鉄6500系が同様の特徴を有しています)。
 その後2003Fについて、長津田工場を出場した後は次の「その2」の音に更新されてしまいましたが、改番・正規編成への組成変更が行われた後新たに組み込まれた1M車デハ9223号において、このバージョンが復活する形となりました。そこから1年以上この状態での運用が続いていましたが、2020年5月に他の車両と同じ音となり、このタイプは消滅してしまいました。

更新車(ソフト更新後その2)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-188-15V314(1C4M2群)/MAP-184-15V324(1C4M1群)
三菱2レベルMOSFET(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2018年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2018年11月、2003Fの編成短縮が行われ大井町線での運用が開始されました。この際デハ2303はVVVFを1群のみの使用とし、暫定的な1M車として組み込まれていました。VVVFのソフトも再び更新され、今度は加速時と減速時とで傾向の異なる音となりました。加速時は非同期キャリアの中心周波数が720Hz一定となり、ランダム変調の拡散度合いもE235系並の幅に狭められています。また、細かい点では起動時の「ピコッ!」と鳴る部分の周波数も変更されているようです。一方で減速時の非同期キャリアは5000系列に合わせたのでしょうか、740Hzとわずかに高くなっており、ランダム変調の幅についてはソフト更新前や2020系同様広いままとなっています。このため雰囲気はE231系更新車(三菱)に似ています。2020年5月のデハ9223のソフト更新により、現在は全電動車ともこちらの音になっています。なお、この音源は2003F時代に収録したものです。

3000系(1~3次車)

最終更新日:2023.2.19

 3000系は1999年に登場し、現在は全編成が目黒線で運用されています。3001Fは最初は東横線で8連で運用され、日立VVVFユニットと東芝VVVFユニットを1組ずつ含んでいましたが、目黒線転出時に東芝ユニットの方は3002Fに組み込まれ、新たに日立製の単独M車が連結されました。以降奇数編成は日立、偶数編成は東芝の装置を搭載しています。
 2019年より総合車両製作所と長津田工場の2箇所にて、相鉄直通関連の改造が行われることになり、最初に施行された3008Fが2020年5月に運用に復帰しています。この際、VVVFのソフトが更新され、回生ブレーキが停止時まで効くようになりました。この仕様は残りの東芝編成にも展開された一方で、日立編成のVVVFには長らく動きがありませんでした。2022年になり、8連化用の増結車(4次車)の組み込みが始まりましたが、第一弾の3001F→3101Fにて既存の日立製VVVFへのソフト更新が行われ、こちらも全電気ブレーキ化されました。なお、4次車にも奇数編成組込車=日立、偶数編成組込車=東芝の法則が適用されていますが、いずれの装置も2レベルVVVFへと変更されており、前者は5050系(2011年度~)、後者は5080系に準じたものが採用されました(4次車に関しては5000系列の章でまとめて扱っています)。既存車の1M車に搭載していた装置はユニット化を考慮した構造となっていましたが、結果的にこちらが生かされることはありませんでした。

日立3レベルIGBT・ソフト未更新車(消滅)

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR4820E(1C2M4群)/2420B(1C2M2群・4群化準備工事あり)
日立3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン H3I-3 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 奇数編成(6連時代)が該当していましたが、既に全編成8連化済みでこの音は消滅しています。パターンはE231系900番台の3レベル版といった印象で、非同期キャリアが1050Hzを保った後に上昇するという点は大阪モノレール2000系と共通です。しかし大阪モノレール2000系は1800Hz付近まで上昇するのに対し、こちらは1630Hz程度に留まっています。また、西武10112Fとはダイポーラ変調時のPWMが異なり、こちらはキャリア周波数の2オクターブ上の音(4倍音)が最も強く表れます。
 このファイルのように、(他群との僅かなインバータ周波数のずれによる)干渉のない音を録音したい場合、非常に限られた場所でしかできません。車体外側に位置するモーター付近の、車両の線路方向向きの中心軸から少し離れた場所を探る必要があります。

日立3レベルIGBT・ソフト更新車

解析画面

加速
減速

音声ファイル(減速・停止前キャリア200Hz→1050Hz切替)

解析画面

減速
VVVF VFI-HR4820E(1C2M4群)/2420B(1C2M2群・4群化準備工事あり)
日立3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2022年(ソフト)
パターン H3I-3 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 奇数編成(1~3次車)の8連化後の音です。全電気ブレーキ化に伴い停止間際のキャリア周波数が200Hzとなっていますが、1050Hzからは瞬時に切り替えず、まるでE531系(2レベル)のように連続的にキャリアを降下させる方式が採用されました。また、ダイポーラ変調時のPWMに変化があり、キャリア周波数の1オクターブ上の音(2倍音)が最も強く表れるようになった結果、加速時のパターンは西武10112Fに一層似たものとなりました。東武250系30000系の比較でもそうですが、どうも全電気ブレーキ化の際はダイポーラ変調をこちらのタイプに変更する必要があるようですね。
 ソフト更新前もそうでしたが、減速時の1パルスは変調率が不安定であり、1番目のファイルの場合1分9.5秒付近のみ最大で安定しています。非同期変調への切替前のそこそこ広い領域だけでなく、回生立ち上げから数秒間の領域でも変調率が上がり切らないため、安定した領域が生じるには傾向としてインバータ周波数100Hz~110Hz以上からの回生立ち上げが必須となります。また、2番目のファイルではせっかく200Hzにキャリアを低下させたにも関わらず、停止寸前のみ再び1050Hzに戻っています。線区に依らず数回に1回の頻度でこのような挙動が発生しますが、「何かの拍子」にキャリア周波数を低下させるための条件が成立しなくなるのでしょうね。

東芝3レベルIGBT・ソフト未更新車(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF038-A0(1C2M4群)/B0(1C2M2群・4群化準備工事あり)
東芝3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 かつて偶数編成で聞くことのできた音です。パターンは313系1・2次車と似ていますが、非同期変調の処理が異なります。313系の(一般的な東芝IGBTにみられる)ランダム変調に対し、こちらは2値の周波数の間を絶えず往復するような、いわゆる「ビブラート」のような拡散方式が採用されています。以降東急の東芝IGBTではこの拡散方式が踏襲されていますが、コイルを介さず普通に聴いているとランダム変調との違いはわかりづらいですね(7000系で辛うじて極低速時にプルプルした音が聞こえるくらい)。2020年9月の3004F入場により、回生領域拡大前の本仕様は消滅しました。

東芝3レベルIGBT・ソフト更新車

解析画面

加速
減速
VVVF SVF038-A0(1C2M4群)/B0(1C2M2群・4群化準備工事あり)
東芝3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1999年(当パターン:2020年)
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 2020年に登場したオール電気ブレーキ化改造車のVVVF音です。加速時は特に変化はないですが、減速時に0km/h近くまで回生ブレーキが続くようになりました。といっても、ここは東芝らしく加速時をそのままひっくり返したような音になっています…非同期に切り替わった後(いわゆる「急上昇」部分)は相変わらず(313系ほどではないものの)素直に音が降下しませんが。
 東芝は電気停止ブレーキのことを2003年の段階で「オール電気ブレーキ」と名付けている[1]もののいまいち浸透しておらず、各誌の新車ガイドにおいて東急は6000系のとき「全電気ブレーキ」、名鉄はEL120形のとき「純電気ブレーキ」と紹介しています。どちらも他車種で先に採用した日立や三菱の呼び方に合わせていると思われますが、一方で小田急は三菱VVVF車のものを「純電気ブレーキ」、東芝VVVF車のものを「全電気ブレーキ」と区別して呼称しているようです。なかなかに曖昧な扱いになっていますね…未だに呼び方がわからない東洋よりは情報が出ているだけありがたいのですが。

[1]中沢洋介, 逸見琢磨, and 青山育也. "鉄道車両用パワーエレクトロニクス装置." 東芝レビュー 58.9 (2003): 10-13.

300系

最終更新日:2022.12.31

 世田谷線の旧型車両置換用に1999年に登場しました。路面電車用VVVFといえば当時は東洋と三菱が主流でしたが、東洋とVVVFの取引きをすでに終えてしまったせいか、当時としては珍しく三菱製のVVVFが搭載されました。

解析画面

加速

解析画面

減速

音声ファイル(減速・ブレーキチョッパ作動時)

解析画面

減速
VVVF MAP-064-60V82(1C2M2群)
三菱2レベルIGBT(DC600V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 300系のVVVF音です。「低電圧(DC600V)のおかげで2レベル構成が可能になっているが、音的には223系等の3レベル世代のもの」と捉えられる方もいらっしゃいそうですが、こうしてみると正真正銘の2レベルのパターンですね。都営6300形(IGBT車)等も1999年に登場していますし、キャリア周波数が「上昇→一定」タイプの2レベルIGBTのパターン(所謂「竜巻インバータ」の一種)はこの時点ですでに確立されていたのでしょうね。
 本形式は現在東急で唯一発電ブレーキに対応しており、2番目のファイルではブレーキチョッパが動作する様子を収録しております。なお中間台車はT台車となっているため、録音は両端の台車付近で可能になります。

Y000系

最終更新日:2022.12.31

 こどもの国線通勤化用に1999年に登場しました。東急3000系をベースに片側3扉に変更し、VVVFも冗長性確保のため1C2M2群+SIVのデュアルモード方式のものが採用されました。デュアルモード式VVVFは後に7000系1000系1500番台でも用いられ、7500系(TOQ-i)に至っては2012年登場にも関わらず3レベル・1C2M2群という仕様まで踏襲されました。

音声ファイル

解析画面

加速

※音声をトリミング後解析したものです。

減速

※音声をトリミング後解析したものです。

VVVF SVF041-A0(1C2M2群)
東芝3レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 他では聞けないような磁励音で、3000系からビブラート処理を取っ払ったような音となりました。結果、375Hzと223系1000番台2次車(750Hz)の1/2の周波数で起動し、同様の切替えを経ながら周波数を上げていくふうに見え、これはこれで「東芝3レベルIGBT過渡期形」とも呼べそうな音となっています。ランダム変調やビブラートという「化けの皮」を剥いだら一世代前のパターンに近いものが解析画面に現れたのには驚かされました。これぞコイル録音の醍醐味なのでしょうね…。

5000系列(5000系・5050系・5080系)・Y500系・6000系・3000系(4次車)

最終更新日:2023.2.19

 5000系列は2002年に8000系列の置換用に登しました。最初に田園都市線用に5000系が登場し、以降目黒線用の5080系、横浜高速鉄道所属のY500系、そして東横線用の5050系が登場しました。また、2007年には大井町線の急行用に新形式の6000系が登場しましたが、主回路システムは当時同じ6連だった5080系のものをほぼそのまま踏襲しています。
 5050系については2011年度以降の増備車から新しいタイプのVVVFを採用しています。10連の4000番台は基本的に2011年度以降に製造されていますが、4101F~4104Fや4112F以降の編成等、2010年度以前の車両を編入している一部の編成は2タイプの音を聴くことができます。
 2016年登場の5177F、2019年登場の5178Fでは主電動機が変更され、VVVFのPWMも変更となったため当時話題となりましたが、用いられているVVVFの形式は他の2011年度以降の増備車と同じである模様です。また、3000系の8連化用の増結車(4次車)でも、奇数編成のものは5050系(2011年度~)、偶数編成のものは5080系・6000系のものに準じた装置が採用されています。いずれも型番は異なっていますが、装置外観およびPWM方式に特に差異は見受けられません。

5000系・Y500系・5050系(~2010年度)

音声ファイル(田園都市線内)

解析画面

加速
減速

音声ファイル(加速・副都心線内)

解析画面

加速
VVVF VFI-HR2820B/D(1C4M2群)、1420H/M(1C4M1群)
日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2002年
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 5000系・Y500系全車と5175Fまでの5050系、4101F~4104Fの単独M車、および4112F~4115FのユニットM車が該当します。書誌情報+管理人の銘板撮影データより、装置形式は2002年度までの車両が2820B・1420H、2003年度以降が2820D・1420Mとなっているようですが両者で音の違いはありません。一定のキャリア周波数から700Hzまで周波数が下がり、その後急上昇する特徴はE231系近郊形未更新車と同様です。こちらも「墜落インバータ」と呼んで差し支えないのですが、E231系は1050Hzスタートなのに対し、こちらは740Hzスタートと違いがあります。初期に製造された駆動装置+主電動機を搭載した車両では、普通に聞くとモーター音が大きいため、"墜落"する部分や急上昇の部分が聞こえづらくなっています。
 2番目のファイルは副都心線内で収録したものです(Y500系)。地下鉄区間ではM1車に乗っているとブレーキ緩解音より前にVVVF装置からの起動音が車内に響き渡りますが、コイルで録った波形にもその違いが表れ、出だしの音が鳴ってから一度減衰するまでの時間が長くなっています。なお、後期車5177Fでも同様の挙動を確認しています。

5050系(2011年度~)・3000系(4次車・奇数編成)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF 1C4M2群:VFI-HR2820L(5050系用)
1C4M1群:VFI-HR1420W(5050系用)/1421M(3000系用)[1]
日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2011年
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

[1]通勤特快//なんぴょん氏のツイートより

 2011年度の増備車からはVVVF装置の仕様が変更されました。パワーユニットの形状が大きく変わりましたが、音に関しては従来のキャリア周波数の推移を踏襲したまま、ランダム変調を新たに適用した程度の変更が施されました。この特徴だけ聞くと東武50000系列に近く感じられますが、東武車は急上昇より前にランダム変調が終わるのに対し、こちらは急上昇が始まってしばらく経ってからランダム変調が終了するといった違いがあります。2023年現在、このタイプは4000番台全編成(4101F~4104F、4112F~4115Fは2010年度までのタイプと混載しています)、5176F、そして3000系奇数編成の5号車で聴くことができます。

5050系(6極IM車)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820L(1C4M2群)
日立2レベルIGBT(DC1500V・6極IM用)
登場時期 2016年(ソフト)
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 5177F・5178Fの音です。インバータ周波数の上がり方から6極IMが採用されていると思われ、PWMパターンもそれに合わせて新しいものが取り入れられました。具体的には740Hzからキャリア周波数を下げて700Hzに到達させていたものを、560Hzから上げて到達させるように変更されました。ただし、急上昇開始後までランダム変調が適用されている点等、元のソフトの面影はあります。また、停止間際のキャリア周波数の遷移も、200Hz一定のものから、やや下降して200Hzにたどり着くものに変更されました。

5080系・6000系・3000系(4次車・偶数編成)

音声ファイル(5080系)

解析画面

加速
減速
VVVF 1C4M2群:SVF065-A0(~2003年度)/A1(2006年度~)
1C4M1群:SVF065-B0(~2003年度)/B1(2006年度~2008年度)/B2(2017年度~、5080系・6000系用)/C0(3000系用)[1]
東芝2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2003年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

[1]通勤特快//なんぴょん氏のツイートより

 5080系(デハ5284)のVVVF音です。3000系東芝3レベルIGBT車同様ビブラートが適用されていますが、こちらは2レベルですので非同期変調の途中にダイポーラ~ユニポーラの切替箇所は存在しません。また、非同期→同期の切り替え方について、当時の東芝は急上昇から多パルスモードを挟むように変更する過渡期であった模様で、結果両者が共存するような形となりました。同様の特徴はOsaka Metro 66系や223系0番台更新車でも見られます(なお、日立にも両者が共存する東京モノレール10000形という車種がありますが、こちらは2010年代の登場であり、時期的に過渡期ではないですね…)。
 2023年現在、このタイプは5080系、6000系、そして3000系偶数編成の5号車で聴くことができます。装置の製造時期や車種によって型番が異なりますが、装置外観およびPWM方式に特に差はなく、20年弱に渡りほぼ同一仕様のものが製造されています。

7000系

最終更新日:2023.2.19

 2007年に池上線・多摩川線用に登場しました。電動車の位置がそれまでの蒲田寄り2両から五反田寄り2両に変更され、中間のデハ7200形に1C4M2群+SIVのデュアルモードVVVFが搭載されています。6年ぶりの増備となった2017年度の新造車からは歯車比が変更され、高速域の音が東急らしからぬものとなった一方、かなり静かになりました。

7101F~7107F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-A0(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2007年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 歯車比が変更される前の編成(7101F~7107F)で録音されたものです。ビブラートのかかった音が上昇しますが5080系・6000系に比べるとキャリア周波数は全体的に低めに設定されています。また、5080系のときはまだ辛うじて残っていた急上昇部分が、7000系ではすべて15パルスに置き換えられました。

7108F~7115F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-A1(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2017年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 歯車比が変更された後の編成(7108F~)で録音されたものです。といっても6.21(14:87)から6.21(19:118)への変更ですのでインバータ周波数の上がるスピードすらコイルで録った音には違いが表れていません。パルスモードやそれらの切替タイミングにも変更がないため、普通に聞くと大幅に違って聞こえる音もモハラジオだとほとんど差が表れないという結果となってしまいました。

2020系・3020系・6020系

最終更新日:2023.2.19

 2020系は8500系置換用に田園都市線に投入されました。車体や内装は5000系時代に比べさらに独自色を強めた一方、搭載機器については一転してJRに近いものが採用されました。そのため、制御装置は300系以来18年ぶり2例目の三菱製となり、主電動機や歯車比もE235系と同一となっております。ただし、こちらはより一層の静粛化を図りWN継手が採用されたため、高速域の雰囲気がやや異なります(元と比べてもますます東急らしくない足回りに…)。後に大井町線急行用に6020系が、目黒線用に3020系が登場しました。

音声ファイル(加速)

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-144-15V317(1C4M)
三菱2レベルMOSFET(DC1500V・4極IM用)
登場時期 2017年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2020系のVVVF音です。主電動機や台車はE235系0番台とほぼ同一のものが採用されている一方、VVVF装置はより小型のパワーユニットが用いられ、ソフトもE235系とは僅かに異なるものとなりました。具体的にはキャリアの中心の周波数こそE235系と同じ1200Hzに揃えられているものの、ランダム変調の幅が上下に広げられ、小田急1000形のようにはっきりしない非同期変調の音になりました。E235系だと少しうるさく感じられたので、個人的にはこの変更はありがたく感じています。
 コイルでの録音に関しても、E235系同様他機器のノイズを避けることが難しくなっております。これらの系列はVVVF由来の音を綺麗に録ることを優先し、ノイズは最初からフィルタで取り除く方針で録音するのが良いのかもしれませんね。