VVVF名鑑

東急電鉄・横浜高速鉄道

傾向と対策

 東急の車両はすべてステンレス車であるため、コイルでの録音は全VVVF車種で可能ですが、一部車種では難易度が高くなっております(3000系x020系)。また東芝IGBT車は特殊な非同期音の拡散(ビブラート)を行なっている影響で高周波数に音が集まりやすく注意が必要です。
 回生ブレーキのパイオニアでもある東急は純電気ブレーキが実用化されるまではその失効速度の低さに定評がありました。特に日立GTO搭載車は全車種非同期音まで回生範囲が及ぶことがあり、これは東急でのみみられる現象となっています。

9000系

最終更新日:2018.10.16

 東急9000系は1986年に東急初のVVVFインバータ搭載の量産車として登場しました。170kWと当時としてはそこそこ大きい定格出力の主電動機を制御する分、1C4M構成とされM車はすべてユニットを組まず独立した組成となりました。東横線に8連14本、大井町線に5連1本が配置されましたが前者については全編成副都心線直通前に中間車3両が減車され、大井町線に転属・集約される形となりました。同時期に登場した初期のVVVF車は次々とソフト更新や機器更新によって元々の音が聞けなくなってしまっている中、中間車廃車時の予備部品のおかげか今では貴重な関東で聞ける初期形GTO搭載車種として運用を続けられています。なお9001Fのみ2018年現在もM車は3両ともVF-HR107形を搭載しています(それ以外の編成はVF-HR112形)。

9001F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR107(1C4M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1986年
パターン 非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 VF-HR107を搭載している9001FのVVVF音です。「日立初期形GTO」と区分されることが多いですが、この世代の特徴である、200Hz非同期音や広域3パルスモードは当車種で初めて取り入れられたのではないでしょうか。同期モードの音の高さはこの後登場する207系900番台・大阪メトロ新20系・JR四国7000系等よりは低いものの南海2000系や相鉄新7000系ほど極端に低くはなく、全体としては大阪メトロ66系に近いです。ただし減速時9パルスモードがこれらのいずれの形式よりも気持ち短く感じられます。また「傾向と対策」にも書いたように、回生ブレーキの範囲が当時としては広いため、減速時は高確率で非同期音まで聞くことができます。

9002F~15F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR112(1C4M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1986年
パターン 非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 VF-HR112を搭載している9002F以降のVVVF音です。VF-HR107と比べると筐体についてはマイナーチェンジが行われたものの、音についてはこれといった違いはありませんね。

7700系

最終更新日:2020.3.25

 旧7000系のVVVF化改造車として1987年に登場しました。東洋製のGTO-VVVFが採用され、大井町線での暫定6連運用を経て、4連14本に組み直され目蒲線に転出しました。さらにそのうちの3本は3連化され池上線に転出し、余った3両は先頭車化改造を経て7915Fとして組成されました。7915Fは東急初のIGBT-VVVFとして東洋製3レベルインバータが搭載されましたが、諸般の事情によるせいなのか以降の車両では東洋製インバータが採用されることはなくなってしまいました。東急線からは2018年に撤退しましたが、今は養老鉄道で同じ音が聴けます。

GTO車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H4170-RG617A(1C4M)
東洋2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1987年(当パターン:1990年頃)
パターン Y2G-2 非同期-15P-9P-5P-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 元々は7600系同様「東洋GTO初期形」タイプの音で登場したのですが、ソフト更新を受け現在の音に変わりました。その特徴から「東洋GTO過渡期形」と呼ばれることが多い(詳しくはこちらを参照してください)ですが、7700系がこの音に更新されたのはブレーキの改修が行われた1990年頃と考えられるため、実は「後期形」よりも後に登場した可能性が高いです。1000系から次の世代のハードが採用されたGTOとなったため、こちらと同様のパターンにソフトを更新したくても1世代前の装置の本系列では何らかの制約がありできなかったと考えられます。

1000系

最終更新日:2020.3.25

 1000系は日比谷線直通用車両として1988年に登場しました。当初は1C8M・ユニット車のみとされましたが、「大は小を兼ねる」ということなのでしょうかこの装置は1C4M用としても使うことができ、4+4連の1010F~1013Fでは実際にそのように使用されるようになりました。また池上線用(当初は暫定編成を組み目蒲線で運用)として製造された1014F~1024Fでは先頭車デハ1314~1324には1C8M用装置(1C4M制御用として使用)を、中間車デハ1314~1324には新たに登場した1C4M専用装置を搭載しています。この1C4M専用装置はパワーユニットが小型化され、音も僅かに変更されました。
 2013年に日比谷線直通用編成が運用を離脱すると、順次譲渡用の中間車を捻出し3連化、1500番台に改造されました。これらは冗長性確保のため、7000系に準じた1C4M2群+SIVの東芝製デュアルモードIGBT-VVVFに換装されました。また、池多摩用編成であった1024Fについても1500番台に改造されましたが、こちらは種車の関係で制御電動車が蒲田寄りとなったため収録される際は注意が必要です。

1C8M(1C4M兼用)車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8130-RG621A(1C8M/1C4M兼用)
東洋2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1988年(当パターン:1989年?)
パターン Y2G-3B 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 最初に登場した1C8M用VVVFで、現在は1012F・1013Fの全電動車とデハ1317・デハ1319~1323で聞くことができます(すべて1C4M制御用として使用)。東洋後期形の中でも最初の方に登場したため非同期音に拡散の途切れる部分がありません。一方で同様に東洋後期形の中でも最初の頃に登場した京阪車や京成のソフト未更新車で見られるような、長い3パルスと短い広域3パルスを持つといった特徴はなく、これらの長さはほぼ等しいです(もしかしたら1000系はここだけ後にソフト更新されたかもしれませんね)。
 1001Fは運用開始後数ヶ月は7600系のような音だったという情報もありますが、当時の音声がないため今となっては確かめようがないですね…。

1C4M(専用)車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H4130-RG636A(1C4M)
東洋2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1991年
パターン Y2G-3C 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 デハ1217・1219~1223のみで現在聞くことができるタイプです。普通に聞いていると上の1C8M車と区別することは難しいですが、こちらには非同期音に拡散が途切れる部分があり、モハラジオで録るとそれが明瞭に表れます。また、何回か録ってみてわかった傾向として1C8M車に比べるとどうやら少しだけVVVF領域が短くなっているようです。東急車は駆動装置や主電動機の特性のせいか柔らかい音色になりますが、モハラジオで録れる音は京急京成阪急あたりのものとほぼ変わらないですね。

1500番台

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-B0(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2014年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 1500番台に搭載されている東芝製2レベルIGBTです。型番から7000系に搭載されている装置の派生形式であると思われ、PWMのパターンも7000系に準じていますが一部相違点があります。主電動機の性能に合わせているのかVVVF領域の長さが短く、普通に聞くとまるで東洋2レベルIGBTのようなタイミングで非同期音が終わります。また減速時はいきなり1パルスから15パルスに切り替わるように見えますが、実はほんの一瞬だけ広域3Pが挿入されている可能性が高いです。というのも、札幌市交8000形の東芝車も加速時の広域3Pが非常に短く、場合によってはほぼ"消失"しこの1500番台みたいな雰囲気になることがあるからです。というわけで現在のところは減速時も広域3Pが設定として一応存在していると思っています…これでもこのパルスモードの役割をちゃんと果たせてはいるのでしょうか?

8500系(VVVF車・消滅)

最終更新日:2019.7.28

 8500系は1975年に、8000系をベースに新玉川線直通用に登場しました。足回りは8000系と同じ界磁チョッパ制御が踏襲されましたが、うち2両が1989年にVVVFインバータに改造され、さらに1991年に2両が最初からVVVFインバータを搭載して新製され後に8642Fに揃って組み込まれました。ともに日立製の1C8M用の装置でしたが、前者と後者ではPWMのパターンが異なります。8000系列をVVVFに更新する計画もあったようですが実現には至らず、これらの装置の仕様を引き継いだものは翌年登場した2000系のみに留まりました。8642Fは2018年に2000系が田園都市線から撤退した後も運用を続けておりましたが、2019年7月に離脱し、これらの音は聴くことができなくなってしまいました。

デハ8799-0802ユニット(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR121Z(1C8M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1989年
パターン 非同期(減速時もまれに)-21P-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 1989年に界磁チョッパから改造されたデハ8799-デハ0802ユニットが該当します。PWMのパターンは多くの部分が後に登場する「日立GTO後期形」と共通ですが、非同期音が1オクターブ低い200Hzで、加速時にもそれに続いて21パルスが現れるという違いがありだいぶ印象が異なります。同様のパターンは相鉄8000系にも取り入れられ「日立GTO過渡期形」と呼ばれることもありますが、この8799ユニットの方がVVVF領域が長く、低い歯車比(5.31)も相まって減速時は比較的高い速度から広域3パルスに切り替わります。
 掲載したファイルのように、減速時最後の同期モードである21パルスのときに強めに回生ブレーキがかかった場合はその後非同期音が入り込むことがあります。また界磁チョッパ車からの改造であるため、コイルで録音する場合は点検蓋の縁?蓋の内側数cmの範囲が収録箇所となり他機器のノイズもそこそこ入ります。

デハ0718-0818ユニット(消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR132(1C8M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1991年
パターン 非同期(減速時もまれに)-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 1991年に当初よりVVVFインバータ制御車として登場したデハ0718-デハ0818が該当します。加速時は「日立GTO後期形」の典型的なパターンであり、そのパターンそのものは2000系と同一です。しかしこちらは各パルスモードの長さのバランスが良く、歯車比も6.07とより低いものとなっていてゆっくり切り替わるため、どちらかというと京王8000系に近い雰囲気です。一方で減速時の挙動は他では見られないパターンで、21パルスに切り替わらず15パルスのまま低い音まで下がるというなかなか強烈な個性を持っています。さらにこのユニットも回生ブレーキが強いとその後に非同期音まで入り込み、その頻度は8799-0802ユニットより高くなっています(とはいえ9000系ほど恒常的には起こりません)。こちらについてもこのケースを掲載いたしました。

9020系(旧2000系)

最終更新日:2019.9.16

 東急2000系は1992年に田園都市線・新玉川線の増発用に登場しました(2003Fのみ東横線で暫定的に運用されました)。最終的に10連3本のみの増備に留まりましたが、そのレア度や特徴的な音から田園都市線の人気車種として約26年間活躍を続けていました。しかし、2017年に2003Fが運用を離脱し、サハを除いて更新が行われました。一度10連で試運転が行われたものの、その後田園都市線に復帰することはなく編成が短縮され大井町線へ転出しました。2018年には残りの編成も運用を離脱し、さらに2020系との重複を避けるためか9020系への改番が行われ大井町線向けに改造されました。なお一度暫定編成で運用されていた2003Fも、旧2002Fから正規の1M車を組込み9023Fとして復帰しています。

未更新車(GTO・消滅)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VF-HR132(1C8M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1992年
パターン 加速時:非同期-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P
減速時:1P-広域3P-3P-7P-11P-15P-21P(-非同期、まれに)
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 もう聴くことのできない、未更新車のVVVF音です。「日立GTO後期形」の典型的なパターンですが、7パルスモードが極端に短く、歯車比も7.07と高いためかなり疾走感の溢れる音となっています。反面このファイルのように減速時非同期音が入り込む確率は8500系VVVF車2種と比べても非常に低くなっております。こればかりは運転士の性格に左右されますが、だからこそ収録できたときの喜びは大きかったです。
 8799ユニットと2000系は一部のパルスモードの周波数の「揺らぎ」が大きいのも特徴的です。他の日立GTOではあまり見られない気がします…。

更新車(ソフト更新後その1)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-188-15V314(1C4M2群)/MAP-184-15V324(1C4M1群)
三菱2レベルMOSFET(1500V・4極IM用)
登場時期 2018年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2017年度に2003Fの機器更新が行われ、三菱製フルSiCモジュール適用VVVFが新たに搭載されました。2018年3月に田園都市線~半蔵門線にて行われた試運転の際は2020系に準じた非同期音となっていましたが、その後長津田検車区~長津田工場へ回送される際にはソフトの更新が行われており、起動時に周波数が一気に上がる、所謂"竜巻"タイプの音に変わりました。周波数が上がりきったあとはランダム変調の幅が大きめの1200Hzとなり、この点は都営5500形と共通です。ただしこちらの方が起動時の周波数は350Hzとやや低めとなっており、またランダム変調の幅は最初から大きいわけではなく非同期音の周波数の上昇に応じて広くなるように設定されているようです。三菱フルSiC車の非同期音は1250Hzに設定されていることが多く、例外的にE235系準拠車(INTEROS搭載車)が1200Hzとなっている印象ですが、おそらくすでに実績のある2020系に合わせて1200Hzにしたのでしょうね。ただし起動時に「ピコッ!」と鳴る点はE235系準拠車にはない特徴となっています。また、CVVF領域における変調率がさらに高くなっており、27Pに4段階目が存在するのが本系列ならではの特徴となっております。
 その後2003Fについて、長津田工場を出場したあとは次の「その2」の音に更新されてしまいましたが、改番・正規編成への組成変更が行われたあと新たに組み込まれた1M車デハ9223号において、このソフトが復活する形となりました。2019年2月現在はこの1両のみ当タイプですが、今後の展開に注目ですね。

更新車(ソフト更新後その2)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-188-15V314(1C4M2群)/MAP-184-15V324(1C4M1群)
三菱2レベルMOSFET(1500V・4極IM用)
登場時期 2018年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2018年11月、2003Fの編成短縮が行われ大井町線での運用が開始されました。この際デハ2303はVVVFを1群のみの使用とし、暫定的な1M車として組み込まれていました。VVVFのソフトも再び更新され、今度は加速時と減速時とで傾向の異なる音となりました。加速時は非同期音の中心周波数が720Hz一定となり、ランダム変調の拡散度合いもE235系並の幅に狭められています。また、細かい点では起動時の「ピコッ!」と鳴る部分の周波数も変更されているようです。一方で減速時の非同期音は5000系列に合わせたのでしょうか、740Hzとわずかに高くなっており、ランダム変調の幅についてはソフト更新前や2020系同様広いままとなっています。このため雰囲気はE231系更新車(三菱)に似ています。2019年2月現在は後に出場した9022F(旧2002F)と、正規編成に組み替えられた2003F→9023Fのデハ9423-デハ9323がこのソフトとなっています。なお、この音源は2003F時代に収録したものです。

3000系

最終更新日:2018.10.16

 1999年に登場し、現在は全編成が目黒線で運用されています。3001Fは最初は東横線で8連で運用され、日立VVVFユニットと東芝VVVFユニットを1組ずつ含んでいましたが、目黒線転出時に東芝ユニットの方は3002Fに組み込まれ、新たに日立製の単独M車が連結されました。以降奇数編成は日立、偶数編成は東芝の装置を搭載しています。単独M車については将来ユニット化したときのためにパワーユニットのスペースが用意されていますが、それが生かされることはあるのでしょうか…?

日立3レベルIGBT

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR4820E(1C2M4群)/2420E(1C2M2群・4群化準備工事あり)
日立3レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 奇数編成が該当します。パターンはE231系900番台の3レベル版といった印象で、1050Hzの非同期音が最後に上昇するという点は大阪モノレール2000系と共通です。しかし大阪モノレールが1800Hz付近まで上昇するのに対しこちらは1630Hz程度に留まっています。また西武10112Fとはダイポーラ変調時のPWMが異なり、こちらはキャリア周波数の2オクターブ上の音(4倍音)が最も強く表れます。
 このファイルのように、他群との僅かな出力周波数のずれによる干渉のない音を録音したい場合は非常に限られた場所でしかできません。外側に位置するモーター付近の、車両の線路方向向きの中心軸から少し離れた場所を探る必要があります。

東芝3レベルIGBT

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF038-A0(1C2M4群)/B0(1C2M2群・4群化準備工事あり)
東芝3レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 偶数編成が該当します。パターンは基本的に313系1・2次車と似ていますが、非同期音の処理が異なり、313系は一般的な東芝IGBTに見られるランダム変調なのに対しこちらは2値の周波数の間を絶えず往復するような、いわゆる「ビブラート」のような拡散方式が採用されています。以降東急の東芝IGBTではこの拡散方式が踏襲されていますが、コイルを介さず普通に聴いているとランダム変調との違いはほぼ表れないですね(7000系で辛うじて極低速時にプルプルした音が聞こえるくらい)。

300系

最終更新日:2018.10.16

 世田谷線の旧型車両置換用に1999年に登場しました。路面電車用VVVFといえば当時は東洋と三菱が主流でしたが、東洋とVVVFの取引きをすでに終えてしまったせいか当時としては珍しく三菱製のVVVFが搭載されました。

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF MAP-064-60V82(1C2M2群)
三菱2レベルIGBT(600V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 300系のVVVF音です。一部では「低電圧のおかげで2レベル構成が可能になって、音的には223系等の3レベル世代のもの」とも言われてはいますが、こうしてみると正真正銘の2レベルのパターンですね。そもそも1999年は都営6300形等も登場していますし、三菱の非同期音が「上昇→一定」タイプの2レベルIGBTのパターンはすでに確立されていたのでしょうね。なお中間台車はT台車となっているため、録音は両端の台車付近で可能になります。

Y000系

最終更新日:2018.10.16

 こどもの国線通勤化用に1999年に登場しました。東急3000系をベースに片側3扉に変更し、VVVFも冗長性確保のため1C2M2群+SIVのデュアルモード方式のものが採用されました。デュアルモード式VVVFは後に7000系1000系1500番台でも用いられ、7500系(TOQ-i)に至っては2012年登場にも関わらず3レベル・1C2M2群という仕様まで踏襲されました。

音声ファイル

解析画面

加速

※音声をトリミング後解析したものです。

減速

※音声をトリミング後解析したものです。

VVVF SVF041-A0(1C2M2群)
東芝3レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 1999年
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★

 他では聞けないような磁励音で、3000系からビブラート処理を取っ払ったような音となりました。結果、375Hzと223系1000番台2次車(750Hz)の1/2の周波数で起動し、同様の切替えを経ながら周波数を上げていくふうに見え、これはこれで「東芝3レベルIGBT過渡期形」とも呼べそうな音となっています。ランダム変調やビブラートという「化けの皮」を剥いだら一世代前のパターンに近いものが解析画面に現れたのには驚かされました。これぞモハラジオ録音の威力なんでしょうね…。

5000系列(5000系・5050系・5080系・Y500系)・6000系

最終更新日:2018.10.16

 2002年に8000系列の置換用に登しました。最初に田園都市線用に5000系が登場し、以降目黒線用の5080系、横浜高速鉄道所属のY500系、そして東横線用の5050系が登場しました。また、2007年には大井町線の急行用に新形式の6000系が登場しましたが、主回路システムは同じ6連の5080系のものがほぼそのまま踏襲されました。5050系については2011年度以降の増備車から新しいタイプのVVVFが採用されました。10連の4000番台は基本的に2011年度以降に製造されていますが、4101F~4104Fのデハ4600形は5000系から編入されたためこれら4編成では2タイプの音を聞くことができます。
 2016年に増備された5177Fでは主電動機が変更され、VVVFのソフトも急上昇タイプのまま新しいものになったので大きな話題となりましたが、用いられているVVVFの形式は他の2011年度以降の増備車と同じである模様です。

5000系・Y500系・5050系(初期車)

音声ファイル(田園都市線内)

解析画面

加速
減速

音声ファイル(副都心線内)

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820B(1C4M2群)/1420H(1C4M1群)
日立2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2002年
パターン 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 5000系・Y500系全車と5174Fまでの5050系、4101F~4104Fのデハ4601~デハ4604が該当します。一定の非同期音から700Hzまで周波数が下がり、その後急上昇する特徴はE231系近郊形未更新車とそっくりで、こちらも「墜落インバータ」と呼んで差し支えないのですが、E231系は1050Hzスタートなのに対してこちらは740Hzスタートと低い音になっております。初期に製造された改良前の主電動機を搭載した車両では普通に聞くとモーター音が大きいため、"墜落"する部分や急上昇の部分が聞こえづらくなっています。
 2番目のファイルは副都心線内で収録したものです。地下鉄区間ではM1車に乗っているとブレーキ緩解音より前にVVVF装置からの起動音が車内に響き渡りますが、コイルで録った波形にもその違いが表れ、出だしの音が鳴ってから一度減衰するまでの時間が長くなっています。なお、後期車5177Fでも同様の特徴は確認されております。

5050系(後期車)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820L(1C4M2群)/1420W(1C4M1群)
日立2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2011年
パターン 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2011年度の増備車からはVVVF装置の形式が変更されました。パワーユニットの形状が大きく変わりましたが、音に関しては従来車の周波数の推移を踏襲したままランダム変調を新たに適用した程度の変更が施されました。この特徴だけ聞くと東武50000系列と同じように感じられますが、東武車は急上昇より前にランダム変調が終わるのに対し、こちらはその範囲が延長され急上昇が始まってしばらく経ってからランダム変調が適用されなくなるといった違いがあります。

5177F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2820L(1C4M2群)
日立2レベルIGBT(1500V・6極IM用)
登場時期 2016年(ソフト)
パターン 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2016年に登場した5177Fの音です。出力周波数の上がり方から6極モーターが採用されていると思われ、VVVF装置そのものは変えずにPWMパターンについてそれに合わせて新しいものが取り入れられました。具体的には740Hzから周波数を下げて700Hzに到達させていたものを、560Hzから周波数を上げるように変更されました。ただし、急上昇開始後までランダム変調が適用されている点等、元のソフトの面影はあります。また、全電気ブレーキの音も200Hz一定のものからやや下降して200Hzにたどり着くものに変更されました。

5080系

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF065-A0(1C4M2群)/B0(1C4M1群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2003年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 5080系のVVVF音です。3000系同様ビブラートが適用されていますがこちらは2レベルですので非同期音の途中に切り替え箇所は存在しません。また、非同期→同期の切り替え方についてこの当時の東芝は急上昇から多パルスモードを挟むように変更する過渡期であった模様で、結果両者が共存するような形となりました。同様の特徴は大阪メトロ66系でも見られます(ただし向こうは21パルスモード使用。なお日立にも両者が共存する東京モノレール10000形という車種がありますが、こちらは2010年代の登場で時期的に過渡期ではないですね…)。減速時はスムーズに15パルス→非同期音急上昇部分が繋がっており美しく感じられます。

6000系(2007年度新造車)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF065-A1(1C4M2群)/B1(1C4M1群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2007年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 6000系1次車のVVVF音です。VVVF装置の形式に僅かな変更があったものの、5080系との音の違いはありませんでした。なおこのデータは6連時代のものです。

6000系(増結車)

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF SVF065-B2(1C4M1群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2007年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 6000系として10年ぶりに登場したデハ6301~6306のVVVF音です。こちらもVVVF装置の形式に僅かな変更があったものの、音については他の6000系との違いは見受けられませんね。

7000系

最終更新日:2018.10.16

 2007年に池上線・多摩川線用に登場しました。電動車の位置がそれまでの蒲田寄り2両から五反田寄り2両に変更され、中間のデハ7200形に1C4M2群+SIVのデュアルモードVVVFが搭載されています。6年ぶりの増備となった2017年度の新造車からは歯車比が変更され、高速域の音が東急らしからぬものとなった一方、かなり静かになりました。

7101F~7107F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-A0(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2007年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 歯車比が変更される前の編成(7101F~7107F)で録音されたものです。ビブラートのかかった音が上昇しますが5080系・6000系に比べると上がり方が緩やかで、周波数もやや低いです。また5080系のときはまだ辛うじて残っていた急上昇部分が7000系ではすべて15パルスに置き換えられました。

7108F~7115F

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF SVF091-A1(1C4M2群)
東芝2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2017年
パターン 非同期-15P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 歯車比が変更された後の編成(7108F~)で録音されたものです。といっても6.21(14:87)から6.21(19:118)への変更ですので周波数の上がるスピードすらコイルで録った音には違いが表れていません。パルスモードやそれらの切り替えタイミングにも変更がないため、普通に聞くと大幅に違って聞こえる音もモハラジオだと全く差が表れないという結果となってしまいました。

2020系・6020系

最終更新日:2018.10.19

 2020系は8500系置換用に田園都市線に投入されました。車体や内装は5000系時代に比べさらに独自色を強めた一方、搭載機器についてはますますJRに近いものが採用されました。そのため制御装置は300系以来18年ぶり2例目の三菱製となり、主電動機や歯車比もE235系と同一となっております。ただし、こちらはなぜかWN駆動となり高速域の雰囲気がやや異なります(元と比べてもますます東急らしくない足回りに…)。後に大井町線急行増発用に、ほぼ同仕様の6020系が登場しました。

音声ファイル(加速)

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-144-15V317(1C4M)
三菱2レベルMOSFET(1500V・4極IM用)
登場時期 2017年
パターン 非同期-27P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★

 2020系のVVVF音です。主電動機や台車はほぼE235系と同一のものが採用されている一方、VVVF装置はより小型のパワーユニットが用いられ、ソフトもE235系とは僅かに異なるものとなりました。具体的には基準周波数こそE235系と同じ1200Hzに揃えられているものの、ランダム変調の幅が上下に広げられ、小田急1000形のようにはっきりしない非同期音になりました。E235系だと少しうるさく感じられたので、個人的にはこの変更はありがたく感じています。
 コイルでの録音に関してもE235系同様他機器のノイズを避けることが大変難しくなっております。ひょっとしたら本家以上に難しいかもしれません。これらの系列はVVVF由来の音を綺麗に録ることを優先し、ノイズは最初からフィルタで取り除く方針で録音するのが良いのかもしれませんね。