静岡鉄道
A3000形
最終更新日:2022.12.31
1000形以来43年ぶりの新型車両として、2015年に登場しました。車体には総合車両製作所のsustinaが用いられ、同時期登場のE235系と近い構造となっています。一方の機器類には制御装置・主電動機・駆動装置・補助電源装置・集電装置等、東洋電機製造製のものがふんだんに使用されています。2024年までに全12編成が出揃い、1000形を置き換える予定です。
音声ファイル
VVVF | RG6033-A-M(1C4M2群) 東洋2レベルIGBT(DC600V・4極IM用) |
登場時期 | 2015年 |
パターン | Y2I-1C 非同期-9P-1P |
収録のしやすさ |
タイプ: 標準 範囲: ★★★ 音質: ★★★ |
A3000形のVVVF音です。すべりの小さい主電動機を使用しているせいか、あるいは加速度が低いせいか、普通に聴いていると同期変調に切り替わるタイミングが遅いように感じられます。しかし実際は京成3000形ソフト更新車等とほぼ同じインバータ周波数のときに切り替わります。
A3000形はPWM遷移のパターンこそオーソドックスな東洋2レベルIGBTそのものですが、細かい点に着目すると特異な部分がいくつかみられます。まず、他の東洋IGBTでよく聞く「ピコッ!」という音では起動せず、いきなり1050Hzのキャリア周波数で始動します。これはPGセンサ付き制御とPGセンサレス制御を併用した『ハイブリッドベクトル制御』[1]を用いている関係かと思われます。また、ノッチオフ時について、大半の東洋2レベルIGBT車は9パルスや非同期変調まで現れるものの、基本的には1パルスで途切れるようです(これはOsaka Metro 200系でもみられる特徴ではあります)。他にも、減速時1P→9Pと切り替わるインバータ周波数がそこまで高くなかったり、停止時音量が大きくならなかったりと、全体的に東洋の"クセ"が弱まっている印象です。
ちなみに、営業投入前の試運転時にはキャリア周波数を何パターンか変更して走行していたようです(1050Hz以外の2通りのキャリア周波数で試験しているときの動画が、YouTubeにあることを確認しております)。結局、一般的な1050Hzが採用されましたね。
[1]東洋電機技報 第140号より
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