VVVF名鑑

京成電鉄・北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道

傾向と対策

 京成グループ(1号線直通系統)の車両の場合、通勤車はステンレスで製造され、しかも一形式の製造期間が長く多種類のVVVFを採用している訳ではないので、比較的容易に大多数の編成に搭載されている音の収録は可能です。ただし3700形も3000形も、ソフト更新車とソフト未更新車が入り混じっていて少し気づきづらいので注意が必要です。AE形についてはアルミなので一見録れなさそうですが、実は東武50000系列等と同じようなノリで収録が可能だったりします。

3700形ファミリー(3700形・7300形・9100形・9800形)

最終更新日:2018.10.16

 京成3700形は1991年に登場し、その後2002年までに8連15本・6連2本が製造されました。前年登場のAE100形同様、東洋電機製造のGTO-VVVF・1C8Mタイプを搭載しています。その後姉妹車である北総7300形や、特徴的な車体の旧公団(現千葉ニュータウン鉄道)9100形、さらに3600形VVVF化改造車にも同様の足回りが採用されました。現在、3700形のうち3本は北総、1本は千葉NTへリースされ、それぞれ7808~7828編成、9808編成を名乗っています。
 2010年の成田スカイアクセス線開通前に京成車8連(と何故か7808編成)は120km/h対応のため、VVVFのソフト更新が行われました。なお当時の京成車8連(現7818編成・7828編成・9808編成含む)以外には実施されなかったため、現在未更新車と更新車の2タイプの音を聴くことができます。

ソフト未更新車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8130-RG633A-M(1C8M)
東洋2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1991年
パターン Y2G-3B 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 6連車と北総・千葉NTの新製車である7308・7318編成、9108~9128編成、さらに8連車である3848編成のうち3842-3841ユニット・3844-3845ユニットが該当します。非同期音が東急1000系1C8M車同様、拡散が最後まで続いております。また、3パルスが長い分広域3パルスが短く、こちらは京阪車にもみられる特徴となっています。

ソフト更新車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8130-RG633A-M(1C8M)
東洋2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 2009年(ソフト)
パターン Y2G-3C 非同期-9P-5P-3P-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 上記以外の編成(3700形8連車(ただし3848編成の3842-3841ユニット・3844-3845ユニットを除く)、7300形7800番台、9808編成)が該当します。ソフト更新により非同期音の一部が拡散のかからないように変更され、また3パルスと広域3パルスの長さが同じくらいになりました。

3000形ファミリー(3000形・7500形・9200形 + 新京成N800形)

最終更新日:2019.9.16

 京成3000形は2003年に登場しました。3000形は京成グループの新たな標準車両として位置付けられており、ほぼ同一の車体で2005年に新京成N800形、2006年に北総7500形、2013年に千葉NT9200形が登場しました。これらには全て東洋電機製造の2レベルIGBT-VVVFが採用され、幾度かの仕様変更を経ながらも現在でも同一の装置が採用され続けています。一方で、2016年から3003-7・8ユニットでハイブリッドSiCを用いた新型装置の試験が行われています。この試験結果は、2019年度に登場した後継の3100形に反映されたようです。

ソフト未更新車・前期タイプ

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8125-RG681A(1C4M2群)
東洋2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2003年
パターン Y2I-1A 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 初期の編成が該当していました(さらに言えば登場当時は純電気ブレーキがついていなかったようです、それでもほぼ停止直前まで効いていたみたいですが)。このタイプでは非同期??同期の切替タイミングが主電動機出力周波数でいうと加速時は約32.9Hz、減速時は約30.2Hzとなっております。京成所属車に対してはほぼ全て後述のソフト更新が行われたようですが、2019年8月現在このタイプについては3003編成のインバータ試験車じゃない方のユニット(3003-1・2)での残存が確認されております。

ソフト未更新車・後期タイプ

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8125-RG681A(1C4M2群)
東洋2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2005~6年(ソフト)
パターン Y2I-1B 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 3000形後期の編成(~2016年度新造車・3050形含む)、北総・千葉NT所属車(新京成は未確認)はこのタイプで登場しました(3000形については某Wikiによると~3017編成が前期タイプ、3018編成~が後期タイプとされていますが、前期タイプとされていた編成の一部でもこの音が確認されていましたので厳密な境界は不明…今となっては辿れません)。このタイプでは非同期??同期の切替タイミングが加速時は約33.5Hz、減速時は約33Hzとなっており、特に減速時非同期が延長されていたのが顕著に感じられました。ただしこのグループの京成車もソフト更新が行われ、さらに非同期音が長くなりました。一方北総車等は京成車の一斉変更後もしばらくこのソフトのままでしたが、2019年夏頃からこのソフトへの更新が行われているようです。

ソフト更新車

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF ATR-H8125-RG681A(1C4M2群)
東洋2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2017年(ソフト)
パターン Y2I-1C 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2017年に、京成所属車は前期・後期タイプともソフト更新が行われました。一番大きな変化があったのが非同期??同期の切替タイミングで、加速時は約36.5Hz、減速時は約36Hzまで引き伸ばされ、新型インバータ車に合わせた格好となりました。また細かい変化としてはこの影響なのかノッチオフ時に非同期まで入ることの方が多くなり、さらに純電気ブレーキについても変更が加えられ停止時開扉後まで鳴っていた非同期音が停止とほぼ同時に途切れるようになりました。なお3001編成について2018年5月にパワーユニット等装置の一部が交換されましたが、ソフト更新はそれより前に行われておりこのハード交換のタイミングでの音の変化はありませんでした。

新型インバータ(ハイブリッドSiC)試験車(3003-7・8)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF RG6040-A-M
東洋2レベルIGBT(ハイブリッドSiC)(1500V・4極IM用)
登場時期 2016年
パターン Y2I-1C 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 2016年に3003編成の上野寄りユニットについてVVVFの交換が行われました。こちらはハイブリッドSiCモジュールが適用された、従来より一回り小さい装置となっております。ソフトについては非同期音は865Hzと低くなり、非同期??同期の切替タイミングが加速時は約36.5Hz、減速時は約36Hzとなっております。それ以外はごく普通の東洋2レベルIGBTのパターンですね。ノッチオフについてはSi-IGBT車のソフト更新前同様、9Pを1秒近く維持して非同期に入らないことが多いみたいです。

AE形

最終更新日:2018.10.16

 AE形(2代目)は成田スカイアクセス線開業および同線でのスカイライナー160km/h運転開始のため2009年に登場しました。パンタ付きの車両とパンタ無しの車両が交互に連結されているため一見オールMに見えますが実際にはそのうち2両は付随車となっています。このため3000形同様6M2Tではあるものの、主電動機出力は175kWまで増強され歯車比も4.89と高速寄りに設定されました。おかげて起動加速度は京成車としてはかなり低い2.0km/h/sとなっています。
 主回路には3000形同様1C4M2群の東洋2レベルIGBTが用いられていますが、非同期音の周波数は低く設定されております。

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

※音声をトリミング後解析したものです。

音声ファイル(160km/h→減速)

解析画面

160km/h定速運転
減速

※音声をトリミング後解析したものです。

VVVF ATR-H8175-?RG6009A-M(1C4M2群)
東洋2レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 2009年
パターン Y2I-1B 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★
音質: ★★

 AE形の走行音です。2009年の登場であるため基本的には3000形後期タイプのソフト更新前に準じていますが、非同期音は505Hzと3000形の半分以下の周波数に設定されています。アルミ車であるもののコイルでの録音は可能で、偶数号車のデッキの山側ドア付近がリスニングスポットとなっています。もし東武50000系や京急1500形1700番台と同じ原理であれば奇数号車でもユニット隣接部での録音が可能ですが、こちらは座席となっているため現時点では未調査でございます。
 1番目のファイルでは日暮里発車後1Pに到達するまでを収録しましたが、速度をそこまで出さない区間が続いたため5分以上かかりました(解析画像ではその過程を割愛させていただいております)。また2番目のファイルは印旛日本医大駅付近?空港第二ビル駅を収録しており、車輪径がそこまで小さくなっていなければ160km/h近くまでスピードを出しているものとなっています。ファイルの10秒付近から加速し、やがて最高速度に到達した後は定速運転モードとなりますが、この間は走行状況に応じて1Pと9Pを切り替えています。そして定速運転が終わった直後から減速が始まりますが、もうすでに9P…つまり最高速度160km/hを守っている限りは減速時1Pが現れることはほぼ絶望的ということです、、、

3100形

最終更新日:2019.10.30

 2019年に3000形の次の京成グループ標準車両として登場しました。車体や編成の構成方法等は3000形のシステムを基本的には踏襲していますが、3003編成で試験が行われたハイブリッドSiC適用VVVFインバータ装置が本格的に採用されています。また、京成の通勤車としてははじめて定速運転機能が搭載されました。今後しばらくは成田スカイアクセス線用として増備が行われる予定です。

音声ファイル

解析画面

加速
減速

音声ファイル(定速運転)

解析画面

定速運転
VVVF RG6045-A-M(1C4M2群)
東洋2レベルIGBT(ハイブリッドSiC)(1500V・4極IM用)
登場時期 2019年
パターン 加速時:Y2I-1C 非同期-9P-1P
減速時:Y2I-1B 1P-9P-非同期
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 3100形のVVVF音です。3003編成では非同期の周波数が865Hzへと下げられていましたが、こちらは特に問題を起こさなかったためか1050Hzのままとなっています。非同期??同期の切替周波数に着目すると、加速時は36.5Hzであるため3000形ソフト更新車に近い雰囲気です。しかし減速時は33Hzと、なぜか3000形後期タイプのソフト更新前の設定に逆戻りしています。他にも細かい点に着目すると、ノッチオフ時の9Pの時間が極端に短い傾向にあったり、停止前に非同期の音量が大きくならなかったりと一見3000形と同じような音でも異なる部分は多いようですね。2番目のファイルは今回搭載された定速運転を収録したものですが、AE形のように1Pと9Pを頻繁に行き来することはなさそうです。