VVVF名鑑

東武鉄道

傾向と対策

 東武のVVVF車は最新鋭の70000系・500系以外はアルミ車体でも録音が可能です。ただし、100系も50000系列・60000系も録音可能な箇所が限定され、また拾える音も癖のあるものとなってしまいますが解析する分には問題ないレベルでしょう。一方のステンレス車も、20000系列や9050系はリスニングスポットの範囲が非常に狭く、通勤用ステンレス車としてはもっとも収録難易度が高いかもしれません。30000系や10030系更新車でまず練習してから他の車種を狙うのが良いかもしれません。
 1本にしか存在しないようなレアな音も多い東武ですが、個人的には251Fの収録を優先した方が良いと思っています。今後の500系の増備により置き換えられる可能性もあるので。

100系

>最終更新日:2020.12.23

 1990年に登場した、東武の看板特急「スペーシア」用の車両です。VVVFインバータを採用した有料特急としては本系列が一番最初に営業運転を開始しました。日光線の勾配に対応するため、内装だけでなく足回りも豪華仕様(6両全部が電動車)となり、1C8M方式のGTO-VVVFが採用されました。浅草発着の運用に加え、2006年からはJRへの直通も始まり、製造後30年経過した現在も全車GTOのまま現役で活躍中です。
 1C8Mのシステムを採用しつつ、音は日立の初期型のままではあるのですがソフト変更によりパルスモードの切替タイミングが登場時から変更されたようです。ただし、104Fの1ユニットでは、登場時のものと思われるPWMが2020年現在も残存しております。注意が必要なのは、2020年11月の段階でこのユニットが104-5・6ユニットから104-3・4ユニットに変更されているといった点です。長年この音は104-5・6ユニットの音として認知されていたのですが、2020年5月頃当該のユニットが104-1・2ユニットへと変わり、さらに後に104-3・4ユニットへと変更されたようです。目的が不明ながらも、ここにきて同じ編成内のユニット同士で装置(の一部分?)の交換でも行ったのでしょうね…。
 客室内やデッキの通路部でも収録自体は行えますが、アルミ車特有の篭った音となってしまいます。むしろおすすめはドアレールの金属露出部ですが、数箇所に1箇所くらいしかクリアに録れる場所がないうえ、音量が突然小さくなったかと思いきや一瞬だけ大きくなる等、不安定な挙動があるというのが難点となります。

ソフト未更新車(104-3・4ユニット)

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF VF-HR127(1C8M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1990年
パターン H2G-2 加速時:非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-1P
減速時:1P-3P-5P-9P-15P-27P(-45P、まれに)
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★
音質: ★

 現在104-3・4ユニットのみで聴ける、登場時のままと思われるパターンです。加速時の27パルスの伸びる高さが、その他の車両が該当するソフト更新後の音と一番見分けやすい部分になります。その他の加速時の残りの部分についてもやはりパルスモードの切替点がソフト変更後と異なっているようですが、使われているパルスモードの種類そのものに違いはありません。
 一方の減速時については切替タイミングにほぼ差はありませんでしたが(傾向として、録音したデータ内ではソフト更新前の方がわずかに低速側になる切替点が多い?誤差の範囲かもしれませんが)、こちらのファイルは停止前に45パルスに一瞬だけ到達しました。ソフト変更後含め、こちらの現象を捉えることができたのはこのときだけでした。特急車の運転の仕方だとどうしても出現頻度が下がってしまうのでしょうね。
 収録は、104-3のデッキ、海側ドアレールで行いました。

ソフト更新車

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF VF-HR127(1C8M)
日立2レベルGTO(1500V・4極IM用)
登場時期 1990年(当パターン:不明)
パターン H2G-2 加速時:非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-1P
減速時:1P-3P-5P-9P-15P-27P(-45P?)
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★
音質: ★

 104-3・4ユニット以外はこちらの音となります。27パルス→15パルスの切替点が全然異なることがわかるかと思います。その他加速時は細かい差もある一方、減速時の15パルスの見事な高さは受け継がれていますね。
 収録は、104-6のデッキ、山側ドアレールで行いました。当初上記ソフト未更新車を収録するつもりでこの位置で録音していたのですが、録れたのはこちらの更新後の音だということから「音ズレ」ユニットが変わっていたことに気づいた次第でありました…。

30000系

>最終更新日:2020.12.23

 1996年に半蔵門線直通用に登場しました。足回りには3レベルIGBTが採用され、2001年度の増備車からは全電気ブレーキが追加されました(従来車もこのタイプのソフトに更新されました)。2003年より本来の役割である半蔵門線への直通運用への充当が開始されたのも束の間、非直通運用もこなせるよう分割編成としたことが仇となり、より混雑時への対応に優れた10両固定編成の50000系列へと置き換えられました。さらに、追われた先の地上運用においても併結相手の10000系列との相性が悪かったせいなのか、2011年より東上線への転属が始まりました。2020年12月現在、本線系統には1本のみ半蔵門線直通用に残っています。
 モハ35602は本線時代にPMSM試験車へと改造されました。東上線に転属後も、このシステムは引き続き搭載が続いております。

日立3レベルIGBT(ソフト更新車)

音声ファイル

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR1420B(1C4M)
日立3レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 1996年(当パターン:2001年)
パターン H3I-2 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 現在の、全電気ブレーキ対応後のVVVF音です。登場時は250系と同じパターンであったと仮定すると、停止間際にキャリア周波数が200Hzへと切り替わる点を除けば、①ダイポーラ変調時キャリア周波数の2倍が最も大きい成分になる ②非同期キャリアが900Hz→1800Hzに変化するとき一定となるのが周波数の変化率になる(250系は周期の変化率) の2点が変化しています。日立の3レベルIGBTで全電気ブレーキを採用しているものは①の特徴が当てはまるものが多いですね(西武10112F、都営12-000形IGBT車等)。

250系

>最終更新日:2020.12.23

 250系は1998年に特急「りょうもう」用に登場しました。車体はそれまで製造されていた200系に準じていますが、機器流用元となっていた1700系・1720系の本数が1本足りず、完全な新造車が必要となったことから製造されました。足回りは同時期に製造されていた30000系をベースとしていますが、ギヤ比の変更等特急車向けのチューニングが加えられています。
 2015年よりモハ251-5においてPMSMの試験搭載が開始されました。この結果が反映された500系の増備により200系の廃車が開始されましたが、幸い250系は運用を離脱せず現在も活躍を続けています。

日立3レベルIGBT

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF VFI-HR1420B(1C4M)
日立3レベルIGBT(1500V・4極IM用)
登場時期 1998年
パターン H3I-2 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★★
音質: ★★★

 251Fのうち、モハ251-2・3は登場時からの日立3レベルIGBTを搭載しています。30000系の方は地下鉄直通開始前に全電気ブレーキへの対応が行われた一方、こちらは改造が行われなかったためPWMのパターンに相違点があります(詳細は30000系の項目にて記載)。ということで東武では唯一の音となっていますが、実はほぼ同じパターンが近鉄16400系で使われています。VVVF領域の終端速度も近いため、PWMだけでは区別がつきにくいですね。

東芝2レベルIGBT(PMSM用)

音声ファイル(加速)

解析画面

加速

音声ファイル(減速)

解析画面

減速
VVVF SVF098系?(1C1M×4)
東芝2レベルIGBT(1500V・6極PMSM用)
登場時期 2015年
パターン 非同期-9P-1P
収録のしやすさ タイプ: 標準
範囲: ★★
音質: ★★★

 2015年にPMSM試験車となったモハ251-5のVVVF音です。加速時のパターンは京急1367編成とほぼ同じです。一方で減速時については1パルスまでを捉えることができず、パルスモードの全貌は不明となっています。数データ録音した中で、減速時の1パルスモードは高速走行中の減速時に一瞬捉えることはできたのですがすぐに惰行へと移行してしまいました。