相模鉄道
傾向と対策
相鉄のVVVF車は3タイプに分けられ、①9000系までの相鉄オリジナル設計アルミ車(点検蓋あり) ②10000系、11000系、12000系等JR東日本原設計ステンレス車 ③A-Train(20000系列・点検蓋なし) があります。③は非常に録音が難しく、②はVVVFもJR東日本で採用されたものがほぼそのまま使用されているため、ここでは①について取り上げます。
20000系列・12000系の増備により①は数を減らしつつありますが、YNB(YOKOHAMA NAVY BLUE)塗装化された編成に関しては当分安泰と思われます。
新7000系(消滅)
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新7000系は1986年に、1975年から製造されていた7000系のマイナーチェンジ版として登場しました。前面形状や帯の配色が大幅に変わったものの、初期の数編成は足回りは抵抗制御のままとなっていました。しかし1988年の増備車からVVVFインバータが採用され、MT比も4M6Tとなりました。その後7000系と違い新塗装化されたものの、YNB塗装化は見送られ廃車も始まりました。そして2020年11月、全編成が引退しました。
音声ファイル
VVVF | VF-HR116(1C4M) 日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用) |
登場時期 | 1988年 |
パターン | H2G-2 加速時:非同期-45P-27P-15P-9P-5P-3P-1P 減速時:1P-3P-5P-9P-15P-27P(-45P、まれに) |
収録のしやすさ |
タイプ: 点検蓋 範囲: ★★ 音質: ★★★ |
新7000系のVVVF音です。パターンそのものは典型的なH2G-2ですが、南海2000系ほど極端ではないものの全体的に低めな音となっています。ただし、加速時の27パルス→15パルス切替部、および減速時の5パルス→9パルス→15パルスの流れはそこまで低くないように感じます。なお、運転の仕方によっては稀に減速時の45パルスが出現していたようですが、残念ながら一度も遭遇できませんでした。
8000系
最終更新日:2022.12.31
8000系は1990年に久々に登場したフルモデルチェンジ車であり、同じアルミ車ながらも2100系・5100系(→5000系)・7000系とは全く異なる車体構造が用いられました。新7000系同様、車体もVVVFも日立製作所製であり、10連を組んでいますがこちらは6M4Tとなっています。
9000系に遅れること2016年より、ようやくIGBT化が始まり、機器も9000に準じたものが搭載されました。8708F以降が対象であり、2020年にはYNB化もスタートした一方、対象外となった8706F以前の編成は2021年までには全廃となり、相鉄からGTO-VVVFが消滅しました。
機器未更新車(GTO)(消滅)
音声ファイル
VVVF | VF-HR128(1C8M) 日立2レベルGTO(DC1500V・4極IM用) |
登場時期 | 1990年 |
パターン | H2G-3A 加速時:非同期-21P-15P-11P-7P-3P-広域3P-1P 減速時:1P-広域3P-3P-7P-11P-15P-21P |
収録のしやすさ |
タイプ: 点検蓋 範囲: ★★ 音質: ★★★ |
GTO車のVVVF音です。パターンは東急8799-0802ユニットと同じで、「過渡期型」と分類されるものの一種となっています。ただし東急車に比べると、減速時の切替タイミングは後に登場する「後期型」のものにより近づいているように感じられます。特に、15パルス→21パルス切替タイミングは京王8000系よりもインバータ周波数の高い地点であり、他の「後期型」のものに近い印象があります。
機器更新車(IGBT)
音声ファイル
音声ファイル(急上昇長め)
VVVF | VFI-HR2820T[1](1C4M2群) 日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用) |
登場時期 | 2016年 |
パターン | H2I-3 非同期-9P-広域3P-1P |
収録のしやすさ |
タイプ: 点検蓋 範囲: ★★ 音質: ★★★ |
[1]青ォォ氏のツイートより
2016年に登場した機器更新車のVVVF音です。基本的には9000系に準じたパターンとなっていますが、VVVF領域が加速時はより短く、減速時はより長くなっているという、何とも不思議な設定となっています。非同期変調のキャリア周波数も、9000系同様加速時は極一瞬のみ「急上昇」部に差し掛かり約610Hzまで上昇、減速時は約810Hzから緩やかに下降しています。非同期キャリアの高さも切替タイミングも変調率に紐づけられていると考えられるため、基本的にはこれらの数値は不変のはずです。ところが、2番目のファイルのように、「急上昇」部がそれなりに露出し、キャリア周波数もそこそこ上がるケースもまれにあるようです。前述のように、8000系は加速時のVVVF領域がかなり低くなってしまうのですが、解析画像を見る限りどうもインバータ周波数=24Hzまでは変調率によらず非同期となる設定があるように見受けられます。結果、本来同期に切り替わっているはずの変調率でも非同期が継続し、9パルスの「裏に隠れていた」急上昇がそれなりの時間顔を出す形となっています。
9000系
最終更新日:2022.12.31
9000系は1993年に登場しました。8000系よりも後の登場ですが、こちらは東急車輛製の車体に東洋電機製造の機器が組み合わさる仕様となり、しばらく両系列が並行して製造されました。最終的に10連7本が出揃いましたが、保安装置更新時に従来の東洋製GTO-VVVFに対しては誘導障害対策が必要とされたため、8000系に先立ち2013年~2014年にかけて機器更新が行われ、日立製IGBT-VVVFに置き換わりました。新塗装化→YNB化も行われており、東急直通線開通後も大多数が残存することが予想されていますが、9701Fのみ2020年に廃車となってしまいました。
機器更新車(IGBT)
音声ファイル
VVVF | VFI-HR2820Q(1C4M2群) 日立2レベルIGBT(DC1500V・4極IM用) |
登場時期 | 2013年 |
パターン | H2I-3 非同期-9P-広域3P-1P |
収録のしやすさ |
タイプ: 点検蓋 範囲: ★★ 音質: ★★★ |
機器更新車のVVVF音です。この時期の日立IGBTらしく、加減速時で非同期キャリアの挙動が異なっており、特に減速時は顕著にキャリア周波数がゆっくりと降下します。ただし、加速時も非同期変調終盤に僅かに上昇しています。また、全電気ブレーキ時も、この時期らしくキャリアは降下しつつ200Hzに収束するタイプとなっていますが、他車種に比べても9000系は特に停止間際のキャリア周波数の落差が大きいです。このデータでは63Hzも降下します。
9000系の場合、最初の編成において装置が交換されてから営業運転開始まで時間を要しており、その間少なくとも2回ほどキャリア周波数が変更されています。最初は東武60000系のような約525Hz+ランダム変調、その次に約800Hz・ランダム変調なしのものが確認されています。
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