VVVF名鑑

札幌市交通局

傾向と対策

 市営地下鉄のVVVF車はアルミ車体ですが、車内に点検蓋があるためコイルでの録音は可能です。ただし、他機器からのホワイトノイズ・走行時の擦れるような音・他群との干渉(5000形以外は1台車に4モーター搭載のためこれが生じやすい)をすべて避けて録音することは非常に難しいです。それでも、SN比の悪くない箇所で録音した後にノイズ処理をすればPWMの様子は比較的明瞭にわかります。その他留意事項として、東西線の8000形は編成に2種のVVVFが搭載されているケースがあり、それぞれの号車を正確に把握する必要があります。
 市電の場合、低床車は運用が事前に調べられるため狙いやすいでしょう。こちらは速度を出す区間も併せて調べてみたいですね。

5000形

最終更新日:2020.5.10

 5000形は1995年に登場しました。主回路について、当時のIGBTは耐圧性能がまだ低く3レベル構成のものが普及していた中、750V規格では問題がなかったためかいち早く2レベルのものが採用されました(ただし、三菱は3レベルのものを納入)。1999年までに17編成が導入されましたが、3000形置き換えおよびワンマン運転開始のため2009年〜2011年にかけて3編成が追加されました。なお、既存車についてもワンマン運転対応のためVVVFのソフトが更新されています。

日立2レベルIGBT

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2415D(1C2M2群)
日立2レベルIGBT(750V・IM用)
登場時期 1996年(当パターン:2009年)
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 第18〜20編成、および第2・3・12〜15編成のソフト更新後がこちらの音になります。2009年に登場した音ですが、過変調の領域はこの時期日立で主流となっていた9Pではなく、2003〜4年頃登場車種によくみられた非同期の急上昇(最高到達点:1500Hz)となっています。また、全電気ブレーキの領域は200Hz一定ではなく、少し高い周波数からキャリアが降下し200Hzに到達する前に回生が切れます。これらの点含めOsaka Metro 10A系にそっくりな設定となっていますが、5000形の方が歯車比が高いためかVVVF領域が高いインバータ周波数までとられています。
 このファイルでは減速時に顕著ですが、急上昇部分のぶれが激しく出ています。8000形の日立2種や東京モノレール10000形でも同様の現象が確認できますが、ゴムタイヤにおけるトルクの変動(→電圧利用率)がおそらく原因でしょうね。制御はさておき、音としては聴いていて楽しいですね。

日立2レベルIGBT(5101F)

解析画面

加速
減速
VVVF VFI-HR2415B(1C2M2群)
日立2レベルIGBT(750V・IM用)
登場時期 1996年(当パターン:2011〜12年頃?)
パターン H2I-2 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 第01編成(5101F)のVVVF音です。この編成だけ搭載されている装置が異なり、他編成のソフト更新が完了してもしばらく原形の音を奏でていたのですが残念ながら2011〜12年頃に他の日立編成と同じ音となってしまいました。一方で装置筐体は更新後も変わっていないことから、登場時から2レベルであったことが伺えますね。
 第01編成の登場時は当時の日立3レベルIGBTと同じくらい非同期のキャリア周波数が高かったようですが、一方で第2・3・12〜15編成は次の東芝編成より数10Hz高い程度の周波数だったようですね。

東芝2レベルIGBT

解析画面

加速
減速
VVVF SVF030-A0(1C2M2群)
東芝2レベルIGBT(750V・IM用)
登場時期 1997年(当パターン:2009年)
パターン 非同期-広域3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 第04・05・16・17編成に搭載されている東芝IGBTのVVVF音です。こちらも2レベルIGBTとなっていて、日立編成同様にソフト更新を受けてはいるものの(全電気ブレーキ化等)、登場時、つまり東芝2レベルIGBTの最初期の特徴が比較的残っています。パルスモードのパターンが不変かは不明ですが、1460Hz一定の非同期はそのままのようですね。ある時期まで東芝は非同期のキャリアに365の倍数(例:大多数のGTO…365Hz、223-1000番台1次車・小田急30000形等初期の3レベルIGBT…730Hz)を用いていて、この車種もその慣例に従っていると言えますね。

三菱3レベルIGBT

解析画面

加速
減速
VVVF MAP-154-75V65(1C2M2群)
三菱3レベルIGBT(750V・IM用)
登場時期 1997年(当パターン:2009年)
パターン 非同期(ダイポーラ)-非同期(ユニポーラ)-3P-1P
収録のしやすさ タイプ: 点検蓋
範囲: ★★
音質: ★★

 ソフト更新後の三菱車のVVVF音で、第06~11編成が該当します。他社が2レベルとなった中、三菱だけ実績のある3レベルIGBT採用となっています。ソフト更新後は名鉄等にみられる、最初から音が上昇する非同期が採用されています。また、この車種では3Pが存在するようです。ソフト更新前はどうやらこれよりもキャリア周波数が低く、回生が失効するのも早かったようですね。